- 著者
-
塩谷 剛
- 出版者
- 香川大学
- 雑誌
- 若手研究
- 巻号頁・発行日
- 2018-04-01
本研究では、「社内外のつながり」と一人の人間が多様な経験と幅広い知見を持つという「個人内多様性」に着目し、経営者(マネジャー)の社内外のつながりが強くなり、個人内多様性が高まるほど彼らの両利き性が高まり、両者は互いにその効果を高め合うという仮説を構築した。この仮説を検証するため、調査対象を戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)に採択されている中小企業の経営者とし、質問調査票及び送付リストを作成した。一方で、組織学会の学術企画に参画し、大企業のミドルマネジャーを対象にした質問票調査プロジェクトに携わり、上記仮説を検証するための質問項目を作成した。このように、本研究では、中小企業経営者と大企業のミドルマネジャーという2方向から仮説検証を行う。また、本研究の前段階として2016年度~2017年度に実施した農業経営者を対象とした質問票調査を用いた研究論文が『組織科学』に採択された。本論文では、企業パフォーマンスに対する経営者の探索2変数(新商品開発及び新市場開拓)と活用の交互作用について検討した。分析の結果、企業パフォーマンスを向上させるためには、経営者は両利きであることが望ましいが、それは探索の内容に左右されることが示された。また、知識源の多様性と異業種経験が探索・活用にもたらす影響についても検討した。知識源の多様化は、農業経営者の選択肢、知識の組み合わせを増大させるが、分析の結果、その効果は活用に限定されていることが示された。また、異業種経験は探索には影響を与えず、活用に対して負の影響を与えることが示された。