著者
平野 史朗
出版者
立命館大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2018-04-01

地震時に断層面上の滑り速度が満たすべき偏微分方程式の、最も基本的な形式を考察した。従来の震源物理学における順問題的アプローチとは異なり、地震波の観測から知られる経験則を満たすという要請から出発することで、Klein-Gordon 型という方程式を導いた。この方程式はこれまでにも順問題的に提唱されたことがあったが、全く異なる方向から類似のモデルが導かれることを示したのがひとつめの主要な結果である。次いで、この方程式に確率的な揺らぎをもたらすノイズ項を付加したものが断層の支配方程式であると考え、そのノイズが満たすべきパワースペクトル密度について考察した結果、まずはこの方程式についてのインパルス応答を調べることが重要と判断した。そこで差分法によりインパルス応答を近似計算したところ、方程式に含まれるパラメタ間の比に応じて、断層滑りが波のように伝播する場合と、拡散する場合の2通りが得られることが分かった。前者は通常の地震の振舞いとしてよく知られるが、後者はスロー地震のモデルとして提案されていたものであり、それらを包括的に説明しうるモデルであると考えることができる。また、それらパラメタの正負が断層面上の摩擦則において考えられてきた滑り距離依存性と滑り速度依存性に関係することも見出された。以上の結果を、12月の American Geophysical Union 2019 Fall Meeting にて公表し、他研究者と議論した結果、今後の方向性についていくつかの可能性が得られた。

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地震の断層の滑りの速度はクライン=ゴルドン方程式で出てくるらしい。意味がわからない KAKEN — 研究課題をさがす | 地震の個性や不均質を記述する確率微分方程式論的断層モデル (KAKENHI-PROJECT-18K13637) https://t.co/BbHMdra8aM

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