著者
沢田 有香
出版者
金沢大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2007

生徒の人間関係力を向上するねらいで,選択理論心理学を用いた教材を開発活用し,あらゆる機会を通じ,コミュニケーションスキルを向上させる支援を行い,その効果を検証した。2年生に実施した薬物乱用防止講座の中で,タバコを吸うか吸わないかは自己の欲求からの選択であるというプレゼンテーションを行った後,グループでタバコを吸わない宣言のキャッチコピーを作るワークを行った。この感想の内容をまとめてみたところ,これからの選択への責任,決意,達成感などが多く見られた。このことから,自分たちが作り出した喫煙防止キャッチコピーを自分たち自身のこれからの選択への宣言として取り入れるという効果がみられたと考察する。3年生に実施した思春期講座では,オリジナル教材として「人間関係を『ぴと』で考えると」を開発した。これは人間関係をより良くしていくための教材であり,友人関係や異性関係に役立つようにと考えたものである。人間関係の距離感を「ぴと」という単位で概念化した。いずれの距離においても役立つ人間関係の持ち方としてレクチャーした。この講座への生徒の評価は,おおむね良好なものであった。また,「Happy Cakeをつくろう!」というコミュニケーションワークを開発し,全校生徒の中から希望者に行った。このワークをすることで,相互の関係の距離感が縮まったり,自己の内的統制感が高まったりする効果も期待できるということが調査から若干みることができた。「心の授業」として過年度から実施していた2年生対象の選択理論心理学をレクチャーする授業では,高野和子氏とともにTTで行った。内容は,心の宝石箱「上質世界」を公開し共有するワーク,「基本的欲求」との関連づけ,そしてその中から自分自身の目標への「全行動」のプランニングのワークで構成した。これについての生徒の評価および内的統制感との関連は現在分析中であり,選択理論心理学研究に論文として投稿予定である。

言及状況

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こんな研究ありました:選択理論心理学を活用した心の健康教育教材の開発とその効果の検証(沢田 有香) http://t.co/9yFZWPRaxn

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