著者
清水 孝一 加藤 祐次 山下 政司 北間 正崇
出版者
北海道大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2008

従来、カプセル内視鏡など体内機器との通信には、電波による単純な通信方式が用いられてきた。これに対し本研究は、体内を伝搬する散乱光を積極的に用いた光通信を新たに提案し、その実現可能性を実証することを目的とする。体内深部からの光信号は、生体組織で散乱され広く拡散していく。体表面に装着した複数の光センサでこの信号をとらえ、体内生理情報を復元する。光散乱を積極的に利用し、体表上いくつかの点に光センサを配置することにより、死角のない常に安定した信号伝送が期待できる。本年度は、前年度までの検討内容を踏まえ、提案手法の基本をなす体内散乱光による信号伝送実験装置を試作すると共に、それを用いた実験により信号伝送方式の最適化を図った。具体的内容は次のとおりである。1.生体内・光通信システムを試作した。2.試作システムを用い、生体モデルファントムと生体において本手法の特性を実験的に解析した。その結果、提案手法の実現可能性が実証された。3.種々のダイバーシティ方式の比較などを通し、提案手法の最適化を図った。その結果、提案手法の実用における有用性が実証された。研究成果の発表:国際学術誌(Applied Optics 2件、Optics Express 1件)および国際会議(invited talk 2件を含め4件)において、本研究の成果を報告した。

言及状況

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こんな研究ありました:光散乱を積極的に利用した新たな体内通信手法および実現システムの開発(清水 孝一) http://kaken.nii.ac.jp/ja/p/20650064

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