著者
岩壷 健太郎
出版者
神戸大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

外国為替市場における流動性と価格の情報効率性の関係を分析した。情報投資家は電子ブローキング市場において成行注文よりも指値注文をする傾向がみられ、情報投資家が多く取引を行う日中の取引が盛んで流動性が高い時間帯では情報投資家と流動性投資家の間の情報の非対称性が低下し、価格の情報効率性が改善することが明らかになった。また、他の研究では在英大手銀行の対顧客取引データを使い、市場参加者のオーダーフローが将来発表されるマクロニュースを反映しているかを分析した。ニュース発表時の価格へのインパクトがそれほど大きくないのは、それらの情報が発表される以前に価格に反映されていることが大きな原因であることを示した。この発見は、為替相場に関する重要なパズルの一つであるファンダメンタル・ディスコネクト・パズル(為替モデルにおけるマクロ変数の低い説明力)の解明の一助となろう。

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@takagifx 少々短いですが岩壺教授のこの論文がちょっと面白かったです。オーダーフローに切り込む学者の方ってなかなか居ないですよね。 https://t.co/xvTTrSyCrk

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