著者
勝田 俊輔
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

19世紀前半のリムリック州における農民反乱の実態が解明された。反乱の動機面では、反乱農民は地域の農業経済上の問題の解決だけでなく社会変革も志向していたのであり、この点で政治性をもっていた。他方組織面では、同州での農民反乱は従来考えられていたよりも発達した地下組織に支えられていた。反乱農民は、ダブリンの秘密結社とネットワークを構築しており、組織構造をダブリンの結社から流用した一方で、州内各教区の「委員会」を基盤とする独自の組織を形成するにいたっていた。

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