著者
内田 毅
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は病原菌の一つであるコレラ菌が増殖に必要とする鉄を獲得する機構を明らかにすることを目的とした研究である。主要な鉄源は血液中のヘモグロビンに存在するヘムがであることから、ヘモグロビンからのヘムを獲得とそれを分解し、鉄を取り出す一連のタンパク質を網羅的に解析した。その結果、VCA0907がヘム分解酵素であり、その酵素活性は活性中心に存在する水素結合の強度により、制御されることがわかった。また、基質であるヘムはVCA0908から受け取ることがわかった。ヘムを分解し、鉄を取り出す過程は病原菌の増殖に必須の過程であることから、新たな病原菌増殖剤の開発につながら可能性を見いだすことができた。

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