著者
池谷 修
出版者
慶應義塾大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

【目的】免疫抑制剤タクロリムスは、肝代謝酵素CYP3Aで代謝され他の薬物や食品との相互作用が臨床上大きな問題となる場合がある。我々は同種造血幹細胞移植後にタクロリムスを内服し、安定した血中濃度(9.9-10.3ng/ml)が維持されていたがルイボスティーの連日摂取によって血中濃度が3.0ng/mlまで低下するとともにグレード3の皮膚GVHDを発症した症例を経験した(日本造血細胞移植学会雑誌2013 ; 2(4) : 109)。そこで、ラットを用いてタクロリムスの薬物動態に対するルイボスティーの影響を検討した。【方法】Wistar系雄性ラット(n=6)にフリーアクセスで1週間水を与えて飼育し、タクロリムス(経口懸濁製剤)1.5mg/kgを経口単回投与し、投与後15min, 30min, 1, 2, 3, 4, 8, 12hrの8点の採血を尾静脈より行った。その後7日間washoutを行い、続けてルイボスティーのみをフリーアクセスで1週間与え、同様のスケジュールでタクロリムス投与後に採血を行った。ラットの血中濃度の測定は、PRO-TRACIITMFK506(DiaSorin社製、USA)を用いてELISA法により行った。【結果】ルイボスティー投与群ではタクロリムス1.5mg/kg経口投与時の12時間後までのAUC(mean±S.D.)は、13.45±3.47ng・hr/Lとルイボスティー投与前の17.57±10.57ng・hr/Lに比べ、統計学的な有意差は認められなかったものの23.4%も減少した。さらに、最高血中濃度(mean±S.D.)も5.47±2.84ng/mLとルイボスティー投与前の7.75±5.2ng/mLに比べ29.4%低下した。【考察】ラットを用いた動物実験からルイボスティーは、CYP3A酵素を誘導しタクロリムスの血中濃度を低下させる相互作用がある可能性が示唆された。

言及状況

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KAKEN — 研究課題をさがす | ルイボスティーとタクロリムスの相互作用に関する検討 (KAKENHI-PROJECT-26929002) https://t.co/eOpAlRXxg2
@maomaufiji あ、これですこれ。 https://t.co/9ggedX98XA
ルイボスティーは腎臓に不安がある方は勿論ですが、それにプラスで今タクロリムスを服薬している方はマジで飲み過ぎ注意ですよ〜 https://t.co/XqpPZDg987
タクロリムス飲んでる人も注意が必要らしいです。血中濃度低下につながるそうな https://t.co/XqpPZDg987 https://t.co/FcJuBSuuHZ
お酒の後にルイボスティー☕️を飲んだら二夜連続で二日酔いがスパッと収まった。偶然にしては効きが強すぎるので文献を漁ったら、どうも肝臓の分解酵素CYP3A4が実行犯っぽい。 https://t.co/xULxB6avMp
@Sevenstar_jinzo ちなみに一応論文も出てるので確かっぽいっす。 https://t.co/3krvejlSJd 移植後自宅でがぶ飲みしてましたけどね…さすがに最近控えてます。この辺のキャッチアップはキリがないですよねぇ…
@futochan7417 https://t.co/jPlgDYpQ7c 研究結果ありました! ふとちゃん、絶対そのせいだと思います
なんかタクロリムス?だと注意って書いてました。ネオーラルは書いてなかったです。多分大丈夫かと
@yukapon4649 なんかタクロリムス?だと注意って書いてました。ネオーラルは書いてなかったです。多分大丈夫かと
タクロリムス、ルイボスティーで血中濃度低下かぁ!毎日飲んでたけどやめとこう。今度はなんのお茶にしようかな。みなさま、どんなお茶飲んでますか?https://t.co/0tWAdnDSTT #タクロリムス
ルイボスティーは、CYP3A酵素を誘導しタクロリムスの血中濃度を低下させる相互作用がある可能性が示唆された。 https://t.co/WGPWkNisop さっぱりわからない でも、CYPってシトクロム?が出てくるからアレルギー関係につながる? っていうか酸化と還元の話だわ

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