- 著者
-
多田 耕三
- 出版者
- シチズンファインテックミヨタ株式会社
- 雑誌
- 奨励研究
- 巻号頁・発行日
- 2011
目的:研究者は、科学技術人材を育成するために地域でロボット教室を企画実施している。参加者の技術レベルの向上により、現状教材の陳腐化が進み、参加者の要求を満たさなくなってきた。新規ロボット基板を開発し、教材への機能追加をはかり、教室の持続的な発展させる。方法:制御できるモーター数を現状の3個から4個に増やし、より広く機能の工夫ができる教材を開発する。その効果については、実際の教室と競技会で運用し、参加者の創作意欲の維持状態を観察し評価する。実証試験の競技会では、従来の3個モーターのロボットも参加し、4個モーターの新規教材ロボットの機能と比較することで、教材の実用性と有効性が検証できる。また、従来参加者の購入であったロボット制御基板については、手動コントロール回路とモーター制御+無線操縦回路の二つに分離し、前者を参加者の購入、後者を教室運営側の用意とすることで高機能化による参加者の経済的な負担増を回避し、参加しやすくする。成果:平成23年4月~11月に開発したロボット制御基板を、平成23年12月~翌3月に実施したロボット教室の教材に組み込んで投入し、成果を検証した。参加者は、前年の25名から34名となり36%増加し、経済性も含め新規教材への興味関心が高かったことが伺える。教室への参加率は85、88、91%と高いレベルで推移し、競技会においては100%の参加であった。新規教材の投入により、参加者の製作意欲の維持ができたと考えられる。競技会で4個のモーターを上手に使った新人チームが、経験者の3個モーターのロボットと互角以上の性能を発揮し準優勝するなど、新規教材の機能性も確認された。また、保護者の参加が例年より非常に多く、家庭における科学技術教室への関心と理解が進んだこともわかった。以上をもって、研究の目的は達成された評価している。