著者
澤田 珠稀 仁木 一順 大西 二千夏 多田 耕三 西田 明代 土肥 甲二 光在 隆 奥田 八重子 森川 幸次 前 武彦 黒木 光代 高岡 由美 松岡 太郎 芦田 康宏 池田 賢二 上田 幹子
出版者
日本社会薬学会
雑誌
社会薬学 (ISSN:09110585)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.175-186, 2022-12-10 (Released:2023-01-06)
参考文献数
12

Advances in information and communication technology (ICT)-especially, the spread of social networking services (SNSs)-have facilitated the dissemination of information and an explosion of health information lacking scientific evidence. Therefore, we believe that community pharmacies are the most suitable bases for distributing health information. In 2019, we launched the health support pharmacy “Toyonaka Model” in collaboration with the pharmaceutical association, municipal government, and university. Touch-panel digital signage (DS) was used for real-time distribution of ever-changing information and a rapid grasp of pharmacy users’ responses to various types of information. Between September 2019 and August 2021, one DS was installed in a pharmacy in each of Toyonaka City’s seven areas along with 14 questions on the usefulness of the delivered information. Respondents answered the 14 questions by a tablet or questionnaire; touch logs for DS were collected. When a pharmacy user consulted with a pharmacist about information delivered via DS, the contents were recorded and described by the pharmacist on a 4-point scale (e.g., “inquiry only,” “went through to execution”). From the 850 completed questionnaires and 61,565 touches, 88.7% of the respondents indicated that the information was useful, and 90.0% expressed interest in receiving more health information in the future. Thus, health information provided by DS may be useful to pharmacy users, as demonstrated by 113 cases in which the pharmacist was consulted regarding such information. In 62 of these cases, there were indications that the DS information might have influenced users’ behavior and intended actions.
著者
仁木 一順 澤田 珠稀 多田 耕三 西田 明代 土肥 甲二 光在 隆 奥田 八重子 森川 幸次 前 武彦 黒木 光代 高岡 由美 松岡 太郎 芦田 康宏 上田 幹子
雑誌
日本薬学会第140年会(京都)
巻号頁・発行日
2020-02-01

【背景・目的】超高齢化が進む現在、個々が主体的に健康の維持増進に取り組むことができる仕組みが求められる一方で、自らの健康について気軽に相談できる場の不足や、SNSなどの普及に伴う信憑性に欠ける健康情報の氾濫などの課題がある。そこで我々は、豊中市、豊中市薬剤師会と連携し、健康サポート拠点として薬局が発信する情報が地域の健康維持・増進に貢献できるのかを明らかにすることを目的とした産官学共同研究を2019年9月より実施している。今回は本研究を紹介するとともに、開始数か月間の経過を報告する。【方法】豊中市の7圏域それぞれ1件の薬局にデジタルサイネージ(DS)を設置し、市や薬剤師会からの健康情報を配信する環境を整備した。配信情報として、健診、予防接種など、薬局から関係機関へとつなぎ、疾病の重症化予防に貢献しうると考えられるものを中心に12カテゴリーを準備した。また、各薬局でタブレットを用い、配信した情報の有用性に関する5件法(そう思う~そう思わない)での14問のアンケートを実施するとともに、タッチ対応DSを使用することで薬局利用者が閲覧した情報履歴を収集し、解析した。【結果・考察】アンケート回答数は延べ339件であり、タッチによるDSの情報へのアクセス数は延べ13980回であった(11月15日現在)。「この情報が役に立ったと思いますか」、「今後も健康情報が欲しいと思いますか」と問いに対し、[そう思う・どちらかというとそう思う]の回答者は、それぞれ302名(89.1%)、311名(91.7%)であった。以上のことから、DSにより薬局が発信する健康情報が薬局利用者にとって有用となる可能性が示唆された。今後は、配信した情報による利用者の行動変容や市が集計する客観的指標なども評価し、薬局を拠点とした情報発信が地域の健康増進に貢献できるのかを検証していく。
著者
多田 耕三
出版者
シチズンファインテックミヨタ株式会社
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2011

目的:研究者は、科学技術人材を育成するために地域でロボット教室を企画実施している。参加者の技術レベルの向上により、現状教材の陳腐化が進み、参加者の要求を満たさなくなってきた。新規ロボット基板を開発し、教材への機能追加をはかり、教室の持続的な発展させる。方法:制御できるモーター数を現状の3個から4個に増やし、より広く機能の工夫ができる教材を開発する。その効果については、実際の教室と競技会で運用し、参加者の創作意欲の維持状態を観察し評価する。実証試験の競技会では、従来の3個モーターのロボットも参加し、4個モーターの新規教材ロボットの機能と比較することで、教材の実用性と有効性が検証できる。また、従来参加者の購入であったロボット制御基板については、手動コントロール回路とモーター制御+無線操縦回路の二つに分離し、前者を参加者の購入、後者を教室運営側の用意とすることで高機能化による参加者の経済的な負担増を回避し、参加しやすくする。成果:平成23年4月~11月に開発したロボット制御基板を、平成23年12月~翌3月に実施したロボット教室の教材に組み込んで投入し、成果を検証した。参加者は、前年の25名から34名となり36%増加し、経済性も含め新規教材への興味関心が高かったことが伺える。教室への参加率は85、88、91%と高いレベルで推移し、競技会においては100%の参加であった。新規教材の投入により、参加者の製作意欲の維持ができたと考えられる。競技会で4個のモーターを上手に使った新人チームが、経験者の3個モーターのロボットと互角以上の性能を発揮し準優勝するなど、新規教材の機能性も確認された。また、保護者の参加が例年より非常に多く、家庭における科学技術教室への関心と理解が進んだこともわかった。以上をもって、研究の目的は達成された評価している。