著者
金井 智恵子
出版者
一般社団法人 日本社会福祉マネジメント学会
雑誌
日本社会福祉マネジメント学会誌 (ISSN:24364061)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.14-20, 2021 (Released:2021-07-09)
参考文献数
26

男性の自閉スペクトラム症(ASD)に比べて,知的な遅れがなく,症状が顕著でない女性のASDは,認知や行動上の問題があるにもかかわらず,診断が困難であるため,適切な医療・福祉支援につながりにくいことが多い.この背景には,『DSM—5』の診断が男性の典型的なASD 症状を基準としているため,典型例とはいえない女性のASD の症状を見逃している可能性がある. そこで本稿では,女性のASD に関する先行研究および症例報告をもとに,女性のASD の臨床的特徴と治療・支援のあり方について議論した.
著者
土居 裕和
出版者
一般社団法人 日本社会福祉マネジメント学会
雑誌
日本社会福祉マネジメント学会誌 (ISSN:24364061)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.21-28, 2021 (Released:2021-07-09)
参考文献数
43

自閉スペクトラム症(ASD)の人々は,言語情報・パラ言語情報の処理障害を呈することが,多くの研究により示されている.しかし,ASD 者における音声言語情報処理障害の原因については未解明の点が多い.一見すると大きく異なる言語音と音楽は,その音響的特徴に多くの共通性がある.そこで,本稿では,ASD 者の音楽認知についての先行研究をもとに,ASD における音声言語情報処理障害の原因を議論した. 先行研究の多くは,ASD 者が,定型発達者よりも優れたピッチ知覚能力を有することを示唆している.また,ASD 者のメロディ知覚にも非定型性は認められていない.その一方で,ピッチ・メロディ知覚と同じく,音の基本周波数情報を利用する韻律情報処理においては,定型発達者よりも低い成績を示すことが少なくない.音楽認知と音声言語情報処理にみられるこのような乖離は,ASD における音声言語情報処理障害が,言語音特有の音響的特徴に起因する可能性を示唆している.