著者
渡辺 悦子
出版者
同志社大学歴史資料館
雑誌
同志社大学歴史資料館館報
巻号頁・発行日
no.9, pp.7-21, 2005

京都市上京区に所在する本学新町キャンパスの地には明治以前は摂関家の一流・近衛家の別邸「桜御所」があったことはよく知られている。この「桜御所」の名称は近世以降のもので、現存最古の洛中洛外図屏風では「近衛殿」と称され、さらにそれ以前は、近衛家代々の御影を祀る施設をもつ「御霊殿」と呼ばれていたようである。(「御霊殿」には近衛家代々の嫡女が居住し、御影を祀ったと考えられている。本稿は、『後法興院記』をはじめとする近衛家当主の日記等より、近衛室町に所在した近衛家の本邸が焼亡した応仁・文明の乱以降、「御霊殿」は近衛家当主の住む邸宅「近衛殿」となるが、以降も御霊殿の称を持つ近衛家の女性は戦国期を通して存在し続け、その消滅は戦国期から近世初頭であること、また同時期に皇族から近衛家に養子に入った近衛信尋が「御霊殿」に居住する頃を前後して「近衛殿桜御所」との名称に変化することを明らかにした。
著者
馬渕 一輝
出版者
同志社大学歴史資料館
雑誌
同志社大学歴史資料館館報
巻号頁・発行日
no.15, pp.12-18, 2012

同志社大学今出川キャンパスから近世の鏡作において使用されたと考えられる鋳型が出土した。鏡の文様を表現する真土にあたる部分は残っておらず、真土を塗りつける部分にあたる粗土が出土した。供伴した陶磁器の年代観から18世紀後半のものと考えられる。出土した鋳型を報告するなかで、近世の粗型製作技法と鏡の鋳造方法についての2つの可能性を指摘した。
著者
酒詰 治男 Haruo Sakazume
出版者
同志社大学歴史資料館
雑誌
同志社大学歴史資料館館報 = Museum Report
巻号頁・発行日
no.19, pp.34-43, 2016-10-31

貝塚研究に専念した考古学者酒詰仲男は、英語・英文学を専攻する学生時代を経て英語教員となったが、マルクス主義シンパの嫌疑で教壇から拘引、逮捕された。失職の末、考古学者としての再出発を余儀なくされたのだが、そのおりにも、学生時代同様、同人誌の刊行を独自の研究手法の拠点とした。
著者
井上 幸治
出版者
同志社大学歴史資料館
雑誌
同志社大学歴史資料館館報
巻号頁・発行日
no.16, pp.1-5, 2013

調査・研究報告同志社大学歴史資料館が購入した応永18年(1411)11月10日付の室町幕府御教書の紹介。Introducing sources.ページは巻末(一)-(五)