2 0 0 0 OA 量子力学I

著者
棚橋 誠治
出版者
名古屋大学オープンコースウェア委員会
巻号頁・発行日
2017-01-04

現代物理学の広い分野にわたって必要とされる量子力学の基礎知識を充実させることを目的とする。これまでに親しんだ古典力学とは大きく異なる量子力学の枠組みを理解することで深い思考力を育む。具体的には、まず1次元量子力学の問題を通して、量子力学における「状態」とは何か、「状態」に作用する「演算子」とは何か、それらの物理量との関係を学ぶ。次に、3次元の中心力問題をとりあげ、水素原子の量子力学を理解する。
著者
越智 和弘
出版者
名古屋大学オープンコースウェア委員会
巻号頁・発行日
2010-05-31

<前期> 世界に類をみないまでに性的快楽を敵視し、その元凶を女性に押しつける禁欲のシステムを構築し得たことが、西欧文明がこれまで進歩し得た真の原因であることを理解したうえで起きる最大の疑問は、にもかかわらず西欧が性にたいしもっとも解放的な文化であるかに見えるのはなぜか、というものである。 この逆説に答えるべく、講義はまず、1960年代後半期に起きた性の解放運動に焦点を当てる。性の解放がどのようにして起き、それがいかなる結果をもたらしたのかを総括する中から、そこにもまた快楽を資本主義に奉仕する力に変換する巧妙な禁欲のメカニズムが確実に作用していた事実を、とりわけドイツを中心とした若者文化をたどるなかから明らかにする。 <後期> 西欧文明が古代ギリシア・ローマの直接的継承者であるという言説を、批判的に検証し直す作業が講義の最初の主題となる。今から1500年程前ヨーロッパ文明は、それまであった高度に発達した文化を、いちど徹底的に破壊し尽くす中から立ち上がった。その大混乱のあとに生まれた文化は、継承すべき文化と、切り捨てるべき文化とを明白に区別し、その分断のうえに築き上げられたのが今日ある西欧文明だといえる。 講義では、資本主義というグローバルな体制が、はるか中世以前に遡る時代から現代にいたるまで、女性的快楽を消去し尽くすという、西欧以外にはどこにも見られない価値観によって展開してきたことを明らかにする。
著者
有田 隆也
出版者
名古屋大学オープンコースウェア委員会
巻号頁・発行日
2016-06-29

この講義は、主にドイツ製のボードゲームやカードゲームを題材として、受講生同士がゲームを紹介しあい遊びながら、考えることの楽しさを味わってもらうことを目的としています。ルールを読み、理解し、他の受講生に説明し、プレイし (勝ったり負けたりし)、戦略を考え、討論する、というように、盛りだくさんです。他大学のごく一部でも囲碁、あるいは将棋を題材にした授業を行っているところがありますが、本講義の場合、海外の未知なゲームを扱う場合が多いので、受講生がまったく知識のないところから平等にスタートすることができますし、外国の文化を楽しめます。ボードゲーム先進国のドイツでは毎年数百の新作が発表されています。ゲームが扱うテーマは、思いつく限りの範囲をカバーしているといっても過言ではなく、ゲームのメカニズム自体も継続的に洗練がなされ、工夫されてきています。この講義では、そのように多様な世界の一端を20種類程度のゲームで味わいます。根本的な問題意識をここでほんの少しだけ述べましょう。私は (特に日本の) 現代社会が直面する問題群の根底には、人と人のインタラクション (相互作用) における想像力の不足、欠如があるのではないかと考えています (ちなみに、私の専門は人間関係に限らずに様々なインタラクションから創発する現象を計算機の中の世界で起こして理解することです)。ドイツのボードゲームは人と人との様々な状況における様々な種類のインタラクションについて考え、悩み、楽しむものです。ワクワクするようなプレイを通じて、他人の立場に立って、他人の気持ちを想像する力をトレーニングすることができるのです。そうしないと勝てませんので。このような意味からも、受講生はもちろん、それ以外の人たちにも、いろいろな場面で、ドイツなどの質の高いボードゲームをプレイする楽しさを知ってほしいと心から願っています。幸いなことに、このような私の問題意識やボードゲーム利用による教育効果は徐々に社会でも共有されるようになってきたようで、この授業やその実践に基づく知見は国内外のメディアで紹介されるようになってきました (北欧の大学が発行する雑誌への寄稿、テレビ番組での模擬授業の実施、テレビ番組へのコメンテーター出演など)。この授業の受講生達には、この先いろいろな場面で受講体験を活かしてほしいと願っています。
著者
浜中 真志
出版者
名古屋大学オープンコースウェア委員会
巻号頁・発行日
2017-04-17

物理学と数学は、20世紀以前から、ニュートン力学と微積分、アインシュタインの一般相対論とリーマン幾何学、ゲージ理論とファイバー束といったように、互いに密接に刺激し合いながら相補的に発展してきた側面があります。この流れは21世紀になった現在も続いていますが、特に素粒子の超弦理論においてそれが顕著であり、ミラー対称性、超対称ゲージ理論、Dブレーンの研究を通じて、次々に新しい数学が生み出されています。もともと物理学と数学は研究対象がまったく異なる学問であり、このように自然法則の背後に美しい数学が見え隠れするのは決して自明でなく驚くべきことです。この宇宙が良い数学を採用している証とも言えましょう。この公開講座の授業では、この素晴らしい素粒子論と現代数学の関わりについて高校生に気分だけでも味わっていただこうと思い、時間をかけて意気込んで講演準備をしました。トポロジーの簡単な紹介からウィッテンのモース理論の話につなげるところが一番のオチだったのですが、参加者の半分が1年生でまだ微分も習っていないことが判明し(結局微分の定義から話しましたが)失敗に終わりました。。とは言え、参加者のみなさんは全日最後まで大変熱心に聴いてくださいました。この場をお借りして感謝申し上げます。私の所属する多元数理科学研究科は、前身は数学教室ですが物理分野の教員が15~20%ほど在籍していて、数学に近いところで物理学を研究をしている者にとって最高の環境です。数理物理学関連の授業も多く、私もこれまで解析力学、量子力学などを担当したことがあります。その際は、物理学と数学は本来別物で価値観や目標がまったく違うということを常に強調するようにしています。その上で、このような分野の勉強や研究を行うのは、この時代、実に楽しいことだと思います。21世紀はこれからもっともっと物理学と数学の交流が深まっていくものと確信しています。野望に満ちた若い人の参入をお待ちしております。
著者
佐久間 淳一
出版者
名古屋大学オープンコースウェア委員会
巻号頁・発行日
2009-09-03

言語学は人間の言語のしくみを考える学問ですが、言語のしくみを解明するためには、できるだけ多くの、しかも異なるタイプの言語を知っておく必要があります。なぜなら、世界中の言語は何らかの共通性を持っているのですが、それが何であるのかを理解するためには、言語の多様性についての認識が欠かせないからです。この講義では、フィンランド語の文法の初歩を学びます。フィンランド語はヨーロッパで話されている言語ですが、英語やドイツ語、フランス語、ロシア語など他のヨーロッパの言語とは著しく異なる特徴を持っています。世界の多様な言語の一つとして、フィンランド語の特徴を知ることにより、人間の言語の多様性や普遍性について考えるきっかけにしたいと思います。フィンランド語は、英語に比べると、はるかに語形変化の多い言語です。そのため、最初は大変に思うかもしれませんが、語形変化には一定のパターンがあり、そのパターンさえ覚えてしまえば、例外はほとんどありません。文法事項としては、名詞や動詞の語形変化の他、格の用法、疑問文や否定文の作り方、存在文や所有文、不定人称受動文の用法などを学びます。
著者
奥田 智樹
出版者
名古屋大学オープンコースウェア委員会
巻号頁・発行日
2014-10-27

日本語の形式名詞や複合動詞の特質を観察することにより、日本語における語彙と文法の接点、さらには意味論と統語論の接点について、受講者の方たちと議論を深めたいと思います。
著者
小堀 聡
出版者
名古屋大学オープンコースウェア委員会
巻号頁・発行日
2014-10-16

現代の経済では企業が中心的な役割を果しており、市場経済や資本主義(資本制)経済などと呼ばれている。しかし、人類の誕生時から企業や市場があったわけではないし、これらが誕生してからも、その中身は時代を通じて変化してきた。また、企業や市場の発展によって多くの問題が解決されてきた半面、公害や格差のように新たに深刻化した問題もある。この講義では、企業や市場の誕生・発展プロセスを歴史的に学ぶことで、現代社会をプラスとマイナスとの両面から考察できる姿勢を養うことを目指す。
著者
戸田山 和久
出版者
名古屋大学オープンコースウェア委員会
巻号頁・発行日
2011-04-12 (Released:2014-03-24)

「社会システム情報学特論」第7回: 「情報」と呼ばれるものは考えれば考えるほど不思議な存在者に思われてくる。それは、世界を流れたり、事物に担われたりする。量的に把握される一方で、「内容」をもっている。われわれはそれを生み出したり、知ったり、それに影響されたりする。この摩訶不思議な「情報」の概念をできるかぎり厳密に分析することを試みる。

1 0 0 0 OA 力学I

著者
大島 隆義
出版者
名古屋大学オープンコースウェア委員会
巻号頁・発行日
2006-11-23

自然科学の基礎学問である力学を、身近な現象の力学的解明を通じて学ぶことを指針とする。物理学科進学を希望する学生および専門を学ぶ上で力学が重要となる学生を対象とする。それのみならず、科学を学ぶ学生には必要な基礎である。この「力学 I 」および後期に開講される「力学 II 」と合わせて、ニュートン力学の基礎についてのまとまった内容を講義する。
著者
石井 健一郎
出版者
名古屋大学オープンコースウェア委員会
巻号頁・発行日
2011-03-09 (Released:2011-07-28)

[講義資料]1-15, [演習資料]・本演習について(演習初回資料)・課題1「最近傍決定則による認識実験」(第1回演習で実施) ・課題2「最近傍決定則による認識プログラムの作成」(第1~3回演習で実施) ・課題3「多クラスのパーセプトロンによる学習」(第3~5回演習で実施) ・課題4「最近傍決定則による手書き文字の認識」(第6~9回演習で実施) ・課題5「Glucksmanの特徴を利用した手書き文字認識」(第7~9回演習で実施) ・「Glucksmanの特徴」に関する関数ライブラリ・課題6「フィッシャーの判別分析」(第10~14回演習で実施) ・逆行列を求める関数 inverse の関数定義, [期末試験問題]