著者
手塚 大介 森若 専太
出版者
日本木材保存協会
雑誌
木材保存 = Wood preservation (ISSN:02879255)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.20-26, 2011-01-25
被引用文献数
1

木造家屋の土台が設置される床下環境に則した条件を想定した試験装置を考案した。イエシロアリ(Coptotermes formosanus)およびヤマトシロアリ(Reticulitermes speratus)が混在して生息している野外試験地において、乾式防腐・防蟻処理薬剤ニッサンクリーンCIで加圧注入処理した集成材、LVLに対する防蟻性能試験を実施した。乾式防腐・防蟻処理薬剤ニッサンクリーンCIを耐久性区分K3で処理した試験体は、5年目が経過してもシロアリの食害を受けなかった。一方で、同条件の無処理試験体は、3年目が経過したころから食害を受け始め、5年目では食害が進行していた。また、試験体材表面の蟻道形成においても、無処理材と比較して遅延していることが確認できた。以上の結果から、ニッサンクリーンCI処理された土台は劣化促進した非暴露の条件下において、その防蟻性能を5年間以上保つことが示された。
著者
松永 浩史
出版者
日本木材保存協会
雑誌
木材保存 (ISSN:02879255)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.66-70, 2020
被引用文献数
2

2021年の5月9日~13日にかけて,国際木材保存会議(IRG52)日本大会が沼津で開催される。2001年の奈良大会(IRG32)以来,20年ぶりの日本開催となる。日本木材保存協会は,IRG52大会組織委員会とIRG52大会実行委員会を立ち上げ,久方ぶりの日本開催を円滑に進める観点から,ここ数年のIRG大会参加への渡航助成や大会参加ツアー,発表プロシーディングの文献抄録紹介(当協会発行の木材保存に掲載)といった機運を高める取組を進めている。この総説もこういった取組の一つである。奈良大会以降のIRG大会を幾つかの期間に分け,各大会の概要を学術的な面や技術開発の側面からおさらいして,世界の木材保存研究の潮流を見渡すことを目的としている。今回は,前報(IRG33(2002年)~IRG37(2006年))に続いて,IRG38(2007年)~IRG40(2009年)を整理する。なお,2008年は本大会とは別にアメリカ地域大会が別途開催されたので,これについても整理する。
著者
片岡 厚
出版者
日本木材保存協会
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.58-68, 2017 (Released:2017-07-28)
著者
国土交通省大臣官房官庁営繕部整備課木材利用推進室
出版者
日本木材保存協会
雑誌
木材保存 = Wood preservation (ISSN:02879255)
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, pp.213-220, 2011-09-25

木材は、我が国で古来より主要建築材として利用されてきましたが、戦後は都市の不燃化等の要請から、非木造化が指向されてきた傾向があり、特に公共建築物においては、必ずしも木材の利用が推進されてこなかった実情があります。 木材利用促進法において、木材利用についてのこれまでの考え方を抜本的に変換し、国はその整備する公共建築物について、自ら率先して、可能な限り木造化、内装等の木質化を図るという方向性が明確にされました。 これを契機に、公共建築物における木材の利用を促進するとともに、日本人が古来より慣れ親しんできた「木」の良さを、より身近に国民の皆様にも感じていただけるよう、そしてそれにより木材の利用がより一層推進されるよう、官庁営繕部としても、関係機関と連携を図りながら、様々な取組を推進していきたいと考えています。