著者
近藤 君夫 戸井田 仁一 蟻川 幸彦
出版者
長野県工業技術総合センター食品技術部門
巻号頁・発行日
no.33, pp.36-44, 2005 (Released:2011-03-05)

安全・安心こだわり畜産サポート事業の一環として,鶏肉,豚肉,牛肉の遊離アミノ酸を調査した.鶏肉,豚肉及び牛肉の遊離アミノ酸としては,グルタミンが畜種を問わず最も豊富なアミノ酸であった.次にアラニン,グリシン及びセリンなど甘味系のアミノ酸が多く,肉のおいしさの基となっていることが推察された.また,鶏肉はタウリンが203mg/100gと魚介類に準じて豊富に含まれていた.抗酸化力のあるジペプチドであるアンセリンとカルノシンも豊富で,アンセリンは鳥類の鶏肉に多く,カルノシンは哺乳類の豚肉と牛肉に多く含まれていた.鶏肉では,130日頃まで飼育日数が進むに伴い,タウリンは増加し,アスパラギン,グリシン,リジン,アルギニン,アンモニア,アンセリン及びカルノシンは,減少する傾向が認められた.