著者
岸谷 和広 KISHIYA Kazuhiro
出版者
関西大学商学会
巻号頁・発行日
2011-12-25

本稿では,リテラシー概念をインターネット媒体へ適用することを目的とする。近年,インターネット利用に関する研究が進展すると同時に,インターネット利用自体もユーザーの経験が積み重なるにつれて利用の仕方に多様性を孕むようになった。その結果,当初考えられていた利用像とは異なりつつある。それゆえ,当初想定されていた利用像に従って今までの研究が進められているために,インターネット利用が日常化する現在において利用のあり方それ自体をあらためて検討する必要があると言えよう。同時に,スマートフォン等の新たな端末の登場は,パソコンや携帯電話など端末の相違を解消させるため,端末それ自体に依存しない,もしくは横断する理論的な概念,そしてその展開が必要とされていると言えよう。 まず始めに,メディア利用研究を理解することで,ネット・リテラシー概念の必要性を確認する。その次に,リテラシー概念を理解することで,ネット・リテラシー概念への応用を検討し,ネット・コミュニケーション・リテラシー,ネット・操作リテラシー,ネット情報に対する懐疑的な態度の3つの必要性を論じる。その後,実証研究に向けて展望を論じることにする。
著者
富山 忠三
出版者
関西大学商学会
雑誌
関西大学商学論集 (ISSN:04513401)
巻号頁・発行日
vol.15, no.5, pp.74-96, 1971-02
著者
奥 和義 OKU Kazuyoshi
出版者
関西大学商学会
巻号頁・発行日
2011-12-25

1931年の満州事変以降,日本経済は急速に戦時経済の色合いを強めていった。さまざまな経済統制政策の導入にそれがあらわされており,それは現在の日本の経済システムの源流になったと言われている。本稿では,日中戦争が本格化した1937年から占領下の経済統制をへて高度経済成長が開始されたと考えられる1955年までの時期の日本貿易の発展と構造変化を検討する。その際に,第2次世界大戦までとそれ以降の2つの時期に区分して日本貿易の特徴を分析する。