著者
菱川師宣 画
出版者
鱗形屋
巻号頁・発行日
1684

衣裳雛形本。2巻2冊。菱川師宣画。天和4年(1684)鱗形屋刊。外題「当風御ひいなかた」、内題「当世早流雛形」。片面1図の衣裳模様を、上巻28図、下巻26図載せ、頭書に染様等の解説を加えたもの。衣裳図のほか、上巻巻頭に見開きで呉服店の仕事場風景、下巻巻頭に美人揃えの座敷図をいれる。跋によると、以前刊行の雛形が当世風俗に合わないので、染様を書き加えて出版すると云い、序でも、最近世間の衣裳風俗が華美から軽きを重んじるものに変わったので、模様・絵様・染様を仕出して、初心者のために頭書を加えたという。寛文7年(1667)刊の浅井了意著の『新撰御ひいながた』(当館請求記号:寄別5-5-2-10)より記述は詳しい。(岡雅彦)(2018.2)

1 0 0 0 OA 鶴のさうし

出版者
鱗形屋

室町物語。異類婚姻譚。慈悲深い宰相右兵衛督は家を出て庵暮らしをしている時、猟師に捕らえられた鶴を黄金作りの刀と交換に助ける。翌日訪ねてきた美女と契りを結び、女の千両の持参金で豊かに暮らす。守護の宮崎が女を見染めて恋文を届けるが拒絶され、女を奪おうと軍勢で攻め寄せるが、女が扇で招き寄せた異類のものに撃退されて、改心し頓世する。女は右兵衛督を親の住む隠れ里に案内し歓待した後、庵に帰って後素生を明かし、生を変えて一緒になりたいと云って去る。三条内大臣が天に祈って姫君を儲ける。姫は生まれつき左腕が体に付いて離れなかったが、14歳の春に腕が上がり、下に和歌の下の句を書いた短冊が現れる。帝に奏上し調べると事情が判明し、姫と宰相は再会する。宰相は左大臣となり子孫繁盛した。版本に寛文2年婦屋仁兵衛版の3巻3冊本があるが、本書は鱗形屋刊の江戸版で師宣風の挿絵を持つ。(岡雅彦)

1 0 0 0 OA 藤川和歌百首

著者
藤原定家
出版者
鱗形屋
巻号頁・発行日
1683