24 0 0 0 OA [小倉百人一首]

著者
菱川師宣 画
出版者
本問屋
巻号頁・発行日
1680

各ページに『小倉百人一首』の歌と歌人の肖像を掲出した絵本。伝本はまれで、他にはフランス国立図書館所蔵本が知られる。本書には、後表紙見返しに考証学者森枳園(名は立之。1807-85)の明治4年(1871)の識語があり、もと大田南畝の所蔵、表紙に南畝自筆で「小倉山百人一首延宝刻菱川師宣画」と記すというが、現在ではほとんど判読できない。百人一首の歌人を描いた作品は江戸時代以降のものが残っており、狩野探幽や尾形光琳の作も知られる。版本としては、本書は早いものの一つである。
著者
菱川師宣 画
出版者
鱗形屋
巻号頁・発行日
1684

衣裳雛形本。2巻2冊。菱川師宣画。天和4年(1684)鱗形屋刊。外題「当風御ひいなかた」、内題「当世早流雛形」。片面1図の衣裳模様を、上巻28図、下巻26図載せ、頭書に染様等の解説を加えたもの。衣裳図のほか、上巻巻頭に見開きで呉服店の仕事場風景、下巻巻頭に美人揃えの座敷図をいれる。跋によると、以前刊行の雛形が当世風俗に合わないので、染様を書き加えて出版すると云い、序でも、最近世間の衣裳風俗が華美から軽きを重んじるものに変わったので、模様・絵様・染様を仕出して、初心者のために頭書を加えたという。寛文7年(1667)刊の浅井了意著の『新撰御ひいながた』(当館請求記号:寄別5-5-2-10)より記述は詳しい。(岡雅彦)(2018.2)
著者
菱川師宣 画
出版者

菱川師宣の職人尽歌合絵本。初板と考えられるのは、貞享2年(1685)2月刊。大本上下2巻合1冊。上巻はさらに二分され、それぞれの区切りに山水画の口絵を配する。中世以来、職人絵の題材として盛んに描かれた『七十一番職人歌合』の本文に基づいたもので、序には、『四十三番職人歌合』に従ったとするが、不審。各丁は、上欄に、『七十一番職人歌合』の歌、判詞を載せ、下段に師宣の職人絵を配する。また、絵にも会話文の詞書がある。師宣の職人絵は32丁(1丁欠)で、計64種。職人は、「ばんざう(番匠)」「かぢ師」「かべぬり」「ひわだふき」以下、さまざまな職人、商賈から成る。はじめの「ばんぞう」「かぢ師」は烏帽子から中世風と判断されるが、あとは当世風にやつしている。(鈴木淳)

3 0 0 0 OA 吉原恋の道引

著者
菱川師宣 画
出版者
本問屋
巻号頁・発行日
1678

菱川師宣画の吉原案内記。延宝6年(1678)3月、江戸本問屋板、大本1冊。序に「それ此道といふはしれるもおろか、しらさるもなをおろかなり」と述べ、絵と詞書の協調によって、読者を吉原の艶麗な世界へと導く。各見開きは、最上段に遊女の家紋を6図ずつ掲示し、2段目を格狭間風に縁取りして詞書を記し、3段目の全体の3分の2ほどの紙面に絵を描く。詞書は、吉原の由来、浅草橋その他からの船賃、山之宿から諸方への駄賃、浅草観音、観音裏門からの道、金竜山、日本堤、船道、どろ町、大門口、つほね、さんちや、かうし、あげや行、あげや、きやうしや・ぎう・かぶろ等から成る。詞書は、吉原の案内記として委曲を尽くした内容で、絵も、客と遊女の対面を軸に廓の様子を興趣豊かに描出している。(鈴木淳)
著者
菱川師宣 画
巻号頁・発行日
vol.[2], 1691