- 出版者
- 鶴屋喜右衛門
- 巻号頁・発行日
- 1676
仮名草紙。山岡元隣著の『小盃』五巻のうちの巻2と3を4冊に仕立たてた改題再版本。『小盃』は寛文12年洛陽山治氏家成刊行の版が知られているが、当館本の『小盃』(当館請求記号:本別3-31)は刊記の丁の裏が落丁なので、刊記を知り得ないが、『雨夜の友』はこの本の巻2と3の板木をそのまま使用し、巻末に「延宝四暦辰卯月吉日/鶴や喜右衛門板」と刊記を入れ木しているが、かすれて極めて落ち着きが悪い。『小盃』は中国風の伝奇的話や、笑話や遊女の話など様々な話を61話集めた随筆的作品であるが、本書は18話のみ、原作の3分の1を収める。著者の元隣は俳諧師で多くの編著が刊行されている。(岡雅彦)