- 著者
-
高島 秀之
- 出版者
- 文教大学大学院情報学研究科
- 雑誌
- IT News Letter
- 巻号頁・発行日
- vol.2, no.3, pp.3-4, 2006
2006年6月6日「通信・放送の在り方に関する懇談会」(総務大臣の私的懇談会,以下懇談会,座長・松原聡東洋大教授)から報告書が提出された.放送のアナログ波が廃止され,光ファイバーによるブロードバンド網で全てのメディアが受信可能となる2011年を通信と放送の融合時代の幕開け,完全デジタル元年と位置づけ,通信・放送の在り方を技術体系,法体系から抜本的に見直し,再検討する方向を示したものであり,ターゲットとなったのはNHKとNTTで,その業務の見直しを求めたものである.7月には政府の規制改革・民間解放推進会議(以下推進会議,議長・宮内義彦オリックス会長)の中間答申が出て,NHK改革に関しては,懇談会に沿った内容となった.懇談会の報告書,推進会議の中間答申を基に,これから通信・放送の行政見直しが行われようとしている.この小論は懇談会の報告書から,特にNHK改革の部分を取り上げ,デジタル時代の公共放送のありようを考察したものである.紙面の都合で3部構成としたが,一つのレターとして通読されたい.