著者
水口 和彦 阿部 忠 木田 哲量 大竹 淳一郎
出版者
Japan Cement Association
雑誌
セメント・コンクリート論文集 (ISSN:09163182)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.478-485, 2009

本研究は、凍結防止剤散布による塩害と氷点下30度で300回の凍結・融解作用を受けたRC床版の劣化状態および耐荷力の低下率に関する実験解析である。塩害と凍結・融解作用を受けたRC床版にEPMAによる面分析を行った結果、塩化物イオンの限界値を1.2kg/m<sup>3</sup>とした場合の塩分浸透深さは55mmを超えていた。また、コア抜きによる鉄筋の劣化診断では、圧縮鉄筋の状態は加速期前期であるにも拘らず引張鉄筋は部分的に加速期後期に相当している。さらに、走行振動荷重実験による最大耐荷力を比較すると、通常RC床版に対して塩害・凍害作用を受けたRC床版は最大で15%耐荷力が低下した。