著者
金 春鎬
出版者
Japanese Association of Indian and Buddhist Studies
雑誌
印度學佛教學研究 (ISSN:00194344)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.534-531,1288, 2005-12-20 (Released:2010-03-09)

When thinking of pagodas in Koguryo, the first question that comes to mind is where the first pagoda can be found. Also, the origin of the characteristics of Koguryo's pagodas is a problem. For example, what is the history of the one pagoda-three image hall pattern (一塔三金堂式) in the composition of Buddhist temple, and what the background of the the octagonal shape of the pagoda? In this paper I emphasize the fact that the cultural background of the characteristics of pagodas in Koguryo can be found in Koguryo's ancient tombs.
著者
根井 浄
出版者
Japanese Association of Indian and Buddhist Studies
雑誌
印度學佛教學研究 (ISSN:00194344)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.241-248,1261, 2005-12-20 (Released:2010-03-09)

Nozoki Karakuri is a street performance. It took place in the 17th century. Spectators watch moving dolls and pictures, and so on, through a glass window in a box. Among the painted pictures, many were drawn from the idea of Buddhist Hell and Paradise. Nozoki Karakuri has been preserved in Fukae town, Nagasaki prefecture. It is one of the cultural treasures of Japanese Buddhism.
著者
榊 和良
出版者
Japanese Association of Indian and Buddhist Studies
雑誌
印度學佛教學研究 (ISSN:00194344)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.1139-1143, 2010-03-25 (Released:2017-09-01)

『アムリタクンダ』は,既に明らかにしたように,カーマルーパの女神をめぐるマントラを伴う祈願法と,『シヴァスヴァローダヤ』に代表されるナータ派文献にも含まれる呼吸を観察することによる占術を含むタントラ・ヨーガ文献である.13世紀末から14世紀中頃にアラビア語・ペルシア語に訳され,16世紀中頃にはインドのシャッターリー教団のスーフィーの手でイスラーム色を濃くした形でペルシア語で重訳され,中央アジアからトルコ,西アジアからマグリブ世界まで広く伝搬した理由は,寓意文学やその解釈学を発展させたイスラームの伝統を受け継いだ枠物語にある.それは,『トマス行伝』に含まれる「真珠の歌」やイフワーヌッサファー(純粋なる心をもった兄弟)と呼ばれる学者集団による『百科全書』に示された小宇宙観などの影響のもとに,中世イランの哲学者イブン・スィーナーの系譜を継いだスフラワルディーによる『愛の真実に関する論攷』に含まれる「愛」の語る物語を模している.異邦の地への旅を経ての故郷への帰還と「生命の水」による新たな生まれ変わりを核とした寓意的物語を枠として,大宇宙と小宇宙の相即性から説き起こし,「息の学」を媒介として,浄化法やチャクラへの瞑想法をとりこみつつ,本来の自己の認識による救済をめざすありかたが示される.人間の肉体をひとつの町として描き出す枠物語の示す象徴世界は『ゴーラク語録』にも共通性が見出されるが,『ゴーラクシャシャタカ』大本のペルシア語訳にも示されるように,ナータ派文献に示されるヨーガは,霊智による救済を獲得する手段としてスーフィー道と共通性をもつものと理解され,『アムリタクンダ』の翻訳者は,グノーシス的枠物語によって有資格者のためのイニシエーションとして視覚化して見せてくれたのである.
著者
佐久間 秀範
出版者
Japanese Association of Indian and Buddhist Studies
雑誌
印度學佛教學研究 (ISSN:00194344)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.1112-1120, 2007-03-25 (Released:2010-03-09)
参考文献数
7

ねらい (目的): 五姓格別というと唯識教学の旗印のように日本では考えられてきたが, 吉村誠氏, 橘川智昭氏などの研究から法相宗の事実上の創始者窺基に由来することが判った. 窺基はそれ以前の中国唯識思想が如来蔵思想に歪められていたことへの猛反発から玄奘がもたらした正統インド唯識思想を宣揚しようとし, 一乗思想の対局の五姓格別を持ち出したと考えられる. それならば五姓格別思想も, その起源をインドに辿れるはずである. これまでインドの文献資料の中にその起源を位置づける研究が見あたらなかったので, これを明らかにすることを目的としたのが当論文である.方法 (資料): 全体を導く指標として遁倫の『瑜伽論記』の記述を用い, 法相宗が五姓格別のインド起源の根拠と位置づける『瑜伽論』『仏地経論』『楞伽経』『大乗荘厳経論』(偈文, 世親釈, 無性釈, 安慧釈) と補足的資料として『勝鬘経』『般若経』に登場する当思想に関連するテキスト部分を逐一分析し, その歴史的道筋を辿った.本論の成果等: 諸文献のテキスト部分を分析した結果, 五姓格別思想は三乗思想と無因子の無種姓とが合成されたものであることが判った. その過程を辿れるのが『大乗荘厳経論』第三章種性品であり, 無種姓という項目が声聞, 独覚, 菩薩, 不定種性と並列された第五番目に位置づけられるようになったのは, 最終的には安慧釈になってからであることが歴史的な発展過程とともに明らかになった. その場合玄奘のもたらした瑜伽行派文献の中国語訳に基づく五姓格別思想は, 玄奘が主として学んだナーランダーの戒賢等の思想と云うよりも, ヴァラヴィーの安慧系の思想を受け継ぐものと考えられる. これは智と識の対応関係などにもいえることであるが, 法相宗の思想の基盤が従来考えられたようなナーランダーにあると云うよりも, ヴァラヴィーなど他の地域に依拠しているケースが認められたと云うことであり, これまでの常識とされていた中国法相教学の思想の位置づけを含めて, 教理の内容を吟味してゆくことを要求する内容となった.