著者
篠田 知和基 吉田 敦彦 丸山 顕徳 松村 一男 中根 千絵 鈴木 正崇 不破 有理 服部 等作 山田 仁史 立川 武蔵 後藤 敏文 荻原 真子 木村 武史 後藤 明 廣田 律子 近藤 久美子 竹原 新 坂井 弘紀 諏訪 春雄 小松 和彦 鷹巣 純 栗原 成郎 依田 千百子
出版者
広島市立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009-04-01

世界神話の基本的な二元構造を日本神話、ギリシャ神話、エジプト神話、インド・イラン神話、オセアニア神話、シベリア神話、アメリカ神話などにさぐった。明暗、水中の火、愛の二元性、罪と罰、異界と常世などのテーマでシンポジウムをおこない、それぞれの論文集を刊行した。生死、善悪の問題はそのつど検討された。最後は聖と穢れについて総括討論会をおこなった。その結果、世界神話は聖なるものを水中の火のような矛盾した概念のなかに追及するものであることがあきらかになった。
著者
立川 武蔵
出版者
日本南アジア学会
雑誌
南アジア研究 (ISSN:09155643)
巻号頁・発行日
vol.1990, no.2, pp.58-76, 1990-12-20 (Released:2011-03-16)
参考文献数
4

宗教とは「聖なるもの」と「俗なるもの」との相違を意識した合目的的行為の形態である.いかなる宗教も「聖なるもの」と「俗なるもの」という二つの極の関係をその構造の一つの軸としている.この二つの概念は, エリアーデ, カイヨワ等によって宗教分析の有効な操作概念として育てあげられてきたが, それらは主として未開人の宗教や氏族宗教の考察に用いられてきた.しかし, 「聖なるもの」と「俗なるもの」という二つの観点から仏教あるいはヒンドゥー哲学を考察することも可能と思われる。それはエリアーデが『ヨーガ』の中で企てていることでもあった.本論文は, 大乗仏教に理論的モデルを与えた竜樹 (2世紀頃) の主著『中論』の思想を「俗なるもの」の否定により「聖なるもの」が顕現するという観点より考察するものである.「聖なるもの」と「俗なるもの」の観点は確かに一見相反する内容を指し示すと思われるような二概念による操作なのではあるが, これをいわゆる安易な二元論と考える必要はない.「聖なるもの」と「俗なるもの」の関係に応じて両者はその電荷を変える.聖性の度がゼロになれば, 宗教行為は成立しないことになる.時としては, 「俗なるもの」が聖化されて, 「聖性の度」が強いままに両者が一致することもある.『中論』では, 人間の活動一般が「俗なるもの」として把えられ, その否定の果てに, 「聖なるもの」としての空性が感得される.そして空性は聖化された「俗なるもの」としての「仮りに言葉で表現された世界」としてよみがえるのである.
著者
立川 武蔵
出版者
Japanese Association of Indian and Buddhist Studies
雑誌
印度學佛教學研究 (ISSN:00194344)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.564-571,1291, 2006-03-20 (Released:2010-07-01)

The term “abhidharma” has been used at least in two meanings: (a) [Discourse] about dharma (truth) and (b) Dharma (truth or teaching) about [nirvana, etc.]. The original meaning of the term seems to have been the former (a), and one may say that the second meaning (b) was added later in the history of Abhidharma Buddhism. Vasubandhu in his Abhidharmakosabhasya states that abhidharma is of two kinds: the ultimate and the conventional. The author of the work defines the ultimate abhidharma in terms of the second meaning (b) of abhidharma.Commenting on the definition of the ultimate abhidharma given in the Abhidharmakosasastra (1, 2a) Vasubandhu states: anasravah pañcaskandhako 'bhidharma ity (Abhidharma is free from asrava (mental defilements) and is accompanied by five skandhas (constituent elements)). Xuanzang has translated the passage in the following sense: The five skandhas that are free from asravas are called abhidharma. The Peking edition of the Tibetan translation of the passage (Tibetan Tripitaka, Suzuki Foundation, Vol. 115, p. 127, f. 4, 11. 3-4) has the same meaning as Xuanzang's translation. The expression “pañcaskandhaka,” however, does not mean five skandhas, but rather that which is accompanied by five skandhas.
著者
立川 武蔵 タチカワ ムサシ
雑誌
井上円了選集
巻号頁・発行日
vol.22, pp.688-706, 2003-03-20
著者
立川武蔵著
出版者
講談社
巻号頁・発行日
1992
著者
立川 武蔵
出版者
愛知学院大学
雑誌
禅研究所紀要 (ISSN:02859068)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.200-176, 2007-03-31
著者
長野 泰彦 菊澤 律子 西尾 哲夫 武内 紹人 高橋 慶治 立川 武蔵 白井 聡子 池田 巧 武内 紹人 池田 巧 高橋 慶治 立川 武蔵 白井 聡子 本田 伊早夫 桐生 和幸 R. LaPolla M. Prins 戴 慶厦 G. Jacques 才譲 太 S. Karmay M. Turin 鈴木 博之 津曲 真一
出版者
国立民族学博物館
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2004

チベット・ビルマ語族は、中国・青海省からパキスタン東北部にわたる広い地域に分布する。この語族の歴史はその大枠がようやく明らかになってきたものの、未解読文献言語や記述のない言語が多数残っている。本計画は(1)未記述言語の調査、(2)未解読古文献(シャンシュン語)の解読、(3)チベット語圏の言語基層動態解明、を目標として研究を行い、幾つかの知られていなかった言語を発見して記述、新シャンシュン語(14 世紀)語彙集集成、古シャンシュン語の文法的特徴の抽出、に成功しただけでなく、歴史言語学方法論に接触・基層という視点を導入することの意義に関して提言を行うことができた。
著者
立川 武蔵
出版者
日本印度学仏教学会
雑誌
印度學佛教學研究 (ISSN:00194344)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.1-10, 2008-12-20
著者
立川 武蔵
出版者
日本印度学仏教学会
雑誌
印度學佛教學研究 (ISSN:00194344)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.564-571, 2006-03-20
被引用文献数
1
著者
篠田 知和基 松村 一男 丸山 顕徳 目崎 茂和 不破 有理 廣田 律子 服部 等作 荻原 真子 栗原 成郎 吉田 敦彦 諏訪 春雄 栗原 成郎 三原 幸久 中根 千絵 鷹巣 純 目崎 茂和 後藤 明 丸山 顕徳 依田 千百子 松村 一男 岡本 久美子 立川 武蔵 小松 和彦 百田 弥栄子 小南 一郎 鈴木 正崇 門田 真知子 蔵持 不三也 不破 有理 服部 等作 広田 律子 荻原 真子 木村 武史 宮本 正興 クネヒト ペトロ 水野 知昭 中堀 正洋
出版者
広島市立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

「ユーラシアの神話の道」「海洋神話」につづき、主として天空の神話を世界神話においてしらべて比較し、そこから各文化の世界観、すなわちコスモロジーを究明した。天空神話としては日月、風、星辰、それに「天界」の神話をとりあげた。
著者
頼富 本宏 森 雅秀 野口 圭也 立川 武蔵 山田 奨治 内藤 榮
出版者
種智院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

本研究は、研究代表者が平成9年に北京市の首都博物館を訪れた際、隋・唐代から清代に至る膨大な数量の金銅仏像が未整理のままに保管されている実態を確認したことから、国際学術研究として出発した。初年度では、比較的良質の数十点の作例を調査・撮影し、かつ妙応寺・意珠心境殿に整理・展示されている六千余点の金銅仏像群の報告を行なった。しかし、同年末に展示館新築が始まり、首都博物館蔵の他の資料についての調査続行が困難となった。そこで、当館所蔵の資料とも関わりを持つ中国金銅仏を多数保管する機関として、河北省の避暑山荘博物院・外八廟、遼寧省の遼寧省博物館の助力を得て、主に清朝金銅仏像を調査・撮影し、法量・尊格名などの文字データと画像データを収集して、データベースの構築に着手した。第二年次の平成14年には、当初の調査対象であった首都博物館所蔵品の調査研究が引き続き困難であるため、中国内外の個人収蔵家の協力も得て、百点を超える中国金銅仏の調査・撮影を行ない、比較研究資料の蓄積に努めた。そこで、従来の明・清代のチベット仏教系の鋳造仏だけではなく、北魏・隋・唐代のより古い時代の多数の鋳造仏の資料が得られることになり、それらを体系的に配列することで、仮説的ではあるものの、様式的展開を概観できるようになった。第三年次の平成15年には、SARSの流行によって現地調査の機会が阻まれたが、終息後に雲南省へ渡航し、雲南省博物館と大理市博物館の協力もあって、中国金銅仏でも特異な様式と内容を持つ金銅仏群の調査資料を採取することができた。さらに、静岡県三島市の佐野美術館の中国金銅仏像を調査・撮影した。三年間の研究期間中、海外現地調査と副次的な国内調査を重ねることによって、579点の資料(うち参考資料268点)を収集し、データを集積した。また、故宮から流出したと推測される「宝相楼仏像群」についても、簡略ながら復元を試みることができた。以上の諸資料の画像と採取データのうち、掲載許可を得た資料を収録した成果報告書を最終年度に刊行し、研究者に情報提供を行なっている。