著者
大川 周治 篠原 希和 橋原 真喜夫 足立 真悟 操田 利之 小村 育弘 吉田 光由 西中 寿夫 阿部 泰彦 津賀 一弘 赤川 安正 福場 良之
出版者
Japanese Society of Stomatognathic Function
雑誌
日本顎口腔機能学会雑誌 (ISSN:13409085)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.165-173, 1994
被引用文献数
5

今回我々は, プロサッカーチーム・サンフレッチェ広島に所属する男性6名を対象として, キック時における咀嚼筋の活動様相をテレメータを用いて記録分析するとともに, 記録された咀嚼筋の活動様相とキック・フォームとの関連性について分析した.その結果, 個人差が存在するものの, キック時における明らかな咀嚼筋筋活動の発現が6名中2名に認められ, しかもキック動作の強弱に同調して咀嚼筋筋活動も変化した.このことから, 咀嚼筋機能とサッカーボールのキック動作との間には関連があることが示唆された.
著者
鈴木 善貴 大倉 一夫 重本 修伺
出版者
Japanese Society of Stomatognathic Function
雑誌
日本顎口腔機能学会雑誌 (ISSN:13409085)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.113-124, 2010
被引用文献数
1

睡眠時ブラキシズムの治療には,一般的にオクルーザルスプリントが用いられているが,その作用機序はもちろん,付与すべき咬合挙上量の明確な指標すら未だ不明である.この理由のひとつとして,夜間睡眠中の顎運動を観察,測定することが非常に困難であることが挙げられる.本研究では著者の所属分野で開発した睡眠時6自由度顎運動測定システム(口腔内センサ方式6自由度顎運動測定器-携帯型ポリソムノグラフ-AVモニタ)を用いて,睡眠中の顎運動測定を行い,仰臥位での睡眠中の咀嚼筋安静(低緊張)状態の切歯点における垂直的顎位について解析するとともに,睡眠時ブラキシズムの発現頻度との関係についても検討を行った.被験者は睡眠障害がなく,顎口腔系に異常のない個性正常咬合を有する成人12名(男性7名,女性5名,平均年齢25.5±5.7歳)を対象とし,二夜連続測定を行って,第二夜目のデータを解析対象とした.全被験者とも良好な睡眠状態であり,本測定システムによる睡眠への影響は最小限であった.平均垂直的顎位は2.9~ 6.0 mmであった.垂直的顎位は,睡眠段階の違いによる差はなかったが,Stage 1では2.5~5.0 mmのEpochが有意に多く(<i>P</i><0.05),Stage REM,2,3&4では2.5~5.0 mm,5.0 mm以上のEpochが1.0 mm未満,1.0~2.5 mmのEpochよりも有意に多く認められた(<i>P</i><0.05).垂直的顎位が2.5 mm以上を示すEpochは84.2±16.3%であった.また睡眠時ブラキシズムと平均垂直的顎位の間には負の相関が認められた(R<sup>2</sup>=0.705,<i>P</i><0.05).本研究結果よりヒトは終夜垂直的に開口状態にあり,垂直的顎位は,オクルーザルスプリントに付与すべき咬合挙上量の指標になることが示された.