著者
谷口 哲也
出版者
Kitasato University College of Liberal Arts and Sciences
雑誌
北里大学一般教育紀要 (ISSN:13450166)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.67-73, 2010-03-31 (Released:2017-09-29)

本稿において、クリフォードトーラスのスペクトルデータによる構成方法を紹介する。 本稿の1節から3節はディラック作用素のスペクトルデータによるクリフォードトーラスの構成に関するもので、 Taimanov の Clifford torus に関する仕事 ([5]) を必要最小限に紹介したものである。 Taimanovはあるディラック作用素のスペクトルデータを発見し、ディラック作用素の核を具体的に構成した。さらに、その核をワイエルシュトラスの表現公式に適用しクリフォードトーラスを構成した。 4節において、 Ian McIntosh によって導入された複素平面から複素射影空間への調和写像のあるスペクトルデータを探し出し、対応する調和写像は幾何学的な方法を用いて、クリフォードトーラスに変換可能であることを報告する。