著者
谷口 哲也
出版者
一般社団法人 日本応用数理学会
雑誌
日本応用数理学会論文誌 (ISSN:24240982)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.285-307, 2015-12-25 (Released:2017-04-08)

円分体やその相対類数は重要な整数論的対象として19世紀から認識されてきており,円分体の理論は20世紀以降,類体論や岩澤理論へと発展した.本論文では,相対類数の計算の現状について,計算範囲,手法(行列式,modular arithtmetic,有限体上のFFT,2次元FFT),計算量を概括し,今後の展望を述べる.
著者
谷口 哲也 宮嵜 武 清水 鉄也 姫野 龍太郎
出版者
社団法人 日本流体力学会
雑誌
日本流体力学会誌「ながれ」 (ISSN:02863154)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.257-264, 2006-06-25 (Released:2010-10-22)
参考文献数
12
被引用文献数
1

高速度ビデオカメラを用いて, 人間とピッチングマシンによって投げられた硬式野球ボールと真球の撮影を行い, その抗力係数と揚力係数を求めた.進行方向に回転軸をもつ「ジャイロボール」を投球する為に, 市販のピッチングマシンを改造した.硬式野球ボールの場合, ストレートの抗力係数は測定されたレイノルズ数 (Re数) 領域 (1×105<Re<2×105) でほぼー定値であったが, ジャイロボールの抗力係数はRe数とともに減少傾向を示し, Re=1. 8×105の周辺で最小値をとることが分った. 真球の場合, ストレートとジャイロボールともに抗力係数が硬式野球ボールのものよりも大きく, ボールの縫い目が流れに影響することが確認された.
著者
谷口 哲也
出版者
Kitasato University College of Liberal Arts and Sciences
雑誌
北里大学一般教育紀要 (ISSN:13450166)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.67-73, 2010-03-31 (Released:2017-09-29)

本稿において、クリフォードトーラスのスペクトルデータによる構成方法を紹介する。 本稿の1節から3節はディラック作用素のスペクトルデータによるクリフォードトーラスの構成に関するもので、 Taimanov の Clifford torus に関する仕事 ([5]) を必要最小限に紹介したものである。 Taimanovはあるディラック作用素のスペクトルデータを発見し、ディラック作用素の核を具体的に構成した。さらに、その核をワイエルシュトラスの表現公式に適用しクリフォードトーラスを構成した。 4節において、 Ian McIntosh によって導入された複素平面から複素射影空間への調和写像のあるスペクトルデータを探し出し、対応する調和写像は幾何学的な方法を用いて、クリフォードトーラスに変換可能であることを報告する。
著者
大仁田 義裕 加藤 信 小森 洋平 酒井 高司 橋本 義武 小池 直之 田中 真紀子 入江 博 宇田川 誠一 谷口 哲也 GUEST Martin 田丸 博士 江尻 典雄 安藤 直也
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

微分幾何学における部分多様体論は,ガウス以来の歴史の長い学問分野で,常に他の諸分野と関わりながら発展してきた.本研究課題は,有限次元および無限次元リー理論,幾何学的変分問題,可積分系理論,幾何解析等の分野と関わり,伝統的な方法を踏まえ無限次元的手法まで視点を広げて,部分多様体論の研究を広範かつ集中的に組織・推進した.有限次元および無限次元等径部分多様体,ラグランジュ部分多様体のハミルトン変分問題,調和写像と可積分系等を研究推進,新しい方法と結果を与えた.また,この研究領域における国際的な協力体制を整備し,若手研究者たちの活動も大いに促進した.