著者
幸島 匡宏 松林 達史 澤田 宏
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J100-D, no.4, pp.520-529, 2017-04-01

近年,網羅的なデータ収集の困難さや個人情報保護の観点から,ユーザ個人を単位とする粒度の細かいデータと年代・性別などの属性情報でまとめられたユーザ集団を単位とする粒度の粗いデータといった,異なる粒度のデータを扱う機会が増えている.本研究では,個人単位・集団単位のデータの組のように,粒度の異なる複数のデータを組み合わせて分析するための新たな手法を提案する.提案手法は,非負値行列分解に基づく新たな確率モデルである.このモデルは粒度の粗い方のデータの背後に存在するデータを潜在変数として導入することで導かれる.実購買履歴を用いた実験を通して,提案手法は既存手法を上回る性能を示したこと,低解像度のデータ数が増えるに従い性能向上が達成されることを確認した.更に上記提案手法に基づく拡張手法を導出することで,提案手法が様々な異粒度データ分析問題を考える際の基盤的アプローチとなりうることを示す.

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