著者
干川 尚人 大島 達也 西辻 崇 白木 厚司 伊藤 智義
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J105-B, no.10, pp.792-801, 2022-10-01

コロナ禍は場所に依存しないリモートワークを急速に普及させ,更にオフィスの地方移転やワーケーションのような働く場所の地方分散を促進させた.これにより通信のエンドポイントをつなぐ地方の通信設備維持の重要性も大きくなっている.しかし,近年の人手不足の事情もあり,通信インフラ事業者では現地での物理的な作業が必要なケースでは遠方の拠点から技術者を派遣する形態が一般的になっており,オンライン監視でサポートできない物理異常の発見方法がサービス品質維持のために重要である.この課題に対して,我々はマシンルーム環境の監視を目的にセンサとアクチュエータを搭載した汎用ベースロボットによって,その解決を試みる.この論文ではまず地方の通信設備における労働力と物理異常検知の課題を述べ,その維持管理業務をサポートするための新たなベースロボットシステムを提案する.そしてこのコンセプトを実証するためのプロトタイプロボットを実装し,その予備実験結果を示す.

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