著者
香川 璃奈 原 悠輔 姜 志勲 山肩 洋子
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J105-D, no.12, pp.736-746, 2022-12-01

料理レシピのような創作や操作手順の説明文書では,なぜそれをするのかといった,手順にとどまらない付加的な情報が文書の有用性を向上させる.しかし,そのような文書を書く経験に乏しい著者にとっては何を書くべきか考えることすら難しい.そこで本論文では自然言語処理技術により,調理手順そのものではない付加的説明文を自動生成する手法を検討する.我々は先行研究で,料理レシピの読者に役に立つ付加的情報が「代替品・アレンジ・調理工程の理由・適した材料・注意点・盛り付け」に類別されることを実験的に明らかにした.本研究ではユーザが入力した文に対し,クックパッドデータセットで学習したGPT-2モデルにより文を生成し,それらにBERTに基づく分類モデルを適用して上記の6種類に属する文を選出し,提案する仕組みを構築した.更にユーザビリティ評価として,100名の実験参加者に実際のレシピにおける冒頭の2文を提示し,それらに続く実際の文と,それらから提案手法により生成された後続文のどちらを採用するか選ばせる実験を行った.その結果48.2%で生成文が選択され,提案手法の生成文が実際の文と同等程度に利用されることが示された.

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