著者
稲村 勝樹 長嶋 希美 岩村 惠市
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J105-D, no.1, pp.26-40, 2022-01-01

消費者自身がコンテンツを生成・発信するCGMにおいて,コンテンツの二次利用に関する規定は重要である.クリエイティブ・コモンズでは,コンテンツの二次利用に関する規定をCCライセンスとして定めており,それによって編集者は著作者とコンタクトすることなしに著作者の二次利用に関する意思を理解することができる.その中にはコンテンツの編集は許可するが,1次著作者が定めた著作権設定の変更は認めない「継承」というCCライセンスが存在する.一方,コンテンツの二次利用に関して,電子署名を用いて著作者の意図に反しない編集のみを可能にする仕組みが提案されているが,著作者が編集を許可したコンテンツに関する著作権設定はその編集者に依存するため,「継承」に関する機能を実現できなかった.また,その手法はBLS署名に基づいて構築されているため,多くの著作者・編集者によって構成されたコンテンツはその検証のために多くの公開鍵証明書を必要とした.本論文では,1次著作者が設定した作品クレジットの表示・営利利用・コンテンツの改変・ライセンスの継承といったCCライセンスを技術的に保障し,かつIDベース署名に基づいて公開鍵証明書を不要にする方式を提案する.また,提案方式では編集者による合成制御も実現する.更に,この編集方式のアプリケーション及び使用する拡張したIDベース署名のモジュールを実装し,評価を行う.

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