著者
齊藤 壮馬 岩村 惠市
雑誌
研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.16, pp.1-8, 2013-05-02

ワイヤレスセンサネットワークを構成するセンサノードは小さい電池容量であり、リソースも少ないため効率的な利用が求められてくる.LEACH (Low Energy Adaptive Clustering Hierarchy) はクラスタヘッドを周期的に選択することで、各ノードの消費電力を平均化するプロトコルである.このプロトコルに対するセキュリティ対策はいくつか提案されているが、電力消費が大きく、クラスタヘッドと通信できない孤立ノードを発生される可能性がある.そこで、階層型鍵共有方式を適用することで消費電力が小さく孤立ノードが発生しない方式を提案し、消費電力などをシミュレーションにより評価する.Sensor nodes costructing wireless sensor network have small electrical power and low resource so we need to use them efficiently in terms of energy consumption. LEACH(Low Energy Adaptive Clustering Hierarchy), the protocol that changes cluster head periodically leads to average each nodes' power consumption. At this time, some researchers have suggested security systems of LEACH but they induce high energy consumption and have a possibility that some nodes don't connect with others in the network. In this paper, we propose the new LEACH protocol that improves these problems using hierarchical-structured preshared key scheme. And we estimate its necessary energy and so on.
著者
齊藤 壮馬 岩村 惠市
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICM, 情報通信マネジメント (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.23, pp.83-90, 2013-05-02

ワイヤレスセンサネットワークを構成するセンサノードは小さい電池容量であり、リソースも少ないため効率的な利用が求められてくる.LEACH(Low Energy Adaptive Clustering Hierarchy)はクラスタヘッドを周期的に選択することで、各ノードの消費電力を平均化するプロトコルである.このプロトコルに対するセキュリティ対策はいくつか提案されているが、電力消費が大きく、クラスタヘッドと通信できない孤立ノードを発生される可能性がある.そこで、階層型鍵共有方式を適用することで消費電力が小さく孤立ノードが発生しない方式を提案し、消費電力などをシミュレーションにより評価する.
著者
小林 健人 稲村 勝樹 金田 北洋 岩村 惠市
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.172-183, 2016-01-15

近年,個人情報やプライバシについて取り上げられる場面が増加している.特に,監視カメラ映像に関するプライバシの問題が取り上げられることが多く,映像を取り扱うガイドラインも存在している.しかし,近年のプライバシ保護の概念である自身の情報のコントロールという観点から考えると,被撮影者自身によって匿名で顔情報が制御できることが望ましい.しかし,既存のシステムではそれを実現する技術的な仕組みを持たない.一方で,監視カメラは犯罪防止に利用されているため,被撮影者が犯罪者となる可能性を考慮すると,被撮影者によってのみ制御されることは好ましくない.そこで,我々は被撮影者がグループ署名と可逆モザイク技術を組み合わせ,さらに秘匿した顔を復元するために必要なモザイク鍵を犯罪捜査時のみ生成できる鍵管理法によって,プライバシ保護と犯罪時での監視カメラの有効利用を同時に実現するシステムを提案する.これによって,被撮影者は自身の顔情報を匿名で制御することができ,かつ,犯罪捜査時には,制御された顔情報を警察などに提供可能で,さらに顔が秘匿されていた被撮影者の特定が容易となる.
著者
稲村 勝樹 長嶋 希美 岩村 惠市
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J105-D, no.1, pp.26-40, 2022-01-01

消費者自身がコンテンツを生成・発信するCGMにおいて,コンテンツの二次利用に関する規定は重要である.クリエイティブ・コモンズでは,コンテンツの二次利用に関する規定をCCライセンスとして定めており,それによって編集者は著作者とコンタクトすることなしに著作者の二次利用に関する意思を理解することができる.その中にはコンテンツの編集は許可するが,1次著作者が定めた著作権設定の変更は認めない「継承」というCCライセンスが存在する.一方,コンテンツの二次利用に関して,電子署名を用いて著作者の意図に反しない編集のみを可能にする仕組みが提案されているが,著作者が編集を許可したコンテンツに関する著作権設定はその編集者に依存するため,「継承」に関する機能を実現できなかった.また,その手法はBLS署名に基づいて構築されているため,多くの著作者・編集者によって構成されたコンテンツはその検証のために多くの公開鍵証明書を必要とした.本論文では,1次著作者が設定した作品クレジットの表示・営利利用・コンテンツの改変・ライセンスの継承といったCCライセンスを技術的に保障し,かつIDベース署名に基づいて公開鍵証明書を不要にする方式を提案する.また,提案方式では編集者による合成制御も実現する.更に,この編集方式のアプリケーション及び使用する拡張したIDベース署名のモジュールを実装し,評価を行う.
著者
星野 光太 岩村 惠市 小林 友宏
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.60, no.12, pp.2170-2183, 2019-12-15

近年,プライバシとは「個人が自らの情報を制御する権利」という解釈が一般的になりつつある.一方,映像サーベイランスの普及にともない,監視カメラ映像に関するプライバシ保護が重要視され,監視カメラ映像に映った被撮影者をモザイクなどで秘匿する手法が数多く提案されている.しかし,このようなアプリケーションではシステムがかけたモザイクをシステムが外すことは容易であり,個人が自らの情報を制御するという上記の意味での真のプライバシ保護を実現していない.そこで,本論文では小林らが提案した監視カメラ映像の顔を秘匿する方式を改良した新たな監視カメラシステムを提案する.提案方式は,監視カメラ映像を公開しても安全なように,被撮影者の体全体を段階的に秘匿し,公開された秘匿映像から特定の被撮影者を検索できるなどの特徴を加える.さらに,システムではなくアプリケーションごとに被撮影者がモザイクを解除できる鍵を適切に管理できる.よって,システム側による被撮影者の望まない秘匿解除は行われない.提案方式によって,被撮影者は監視カメラ映像が公開されても自らのプライバシを制御可能になり,真の意味でのプライバシ保護を実現する.さらに,昨今注目されている監視カメラ映像を防犯以外の目的にも安全に利用できるようになる.
著者
神宮 武志 古田 英之 岩村 惠市
雑誌
研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC)
巻号頁・発行日
vol.2014-CSEC-67, no.5, pp.1-6, 2014-11-28

本稿では,秘密分散法の分散情報の更新手法について考える.著者らは [4] において,新しい分散情報の更新法を提案したが,従来,この問題に対してはプロアクティブ秘密分散法が提案されている.そこで,本稿では [4] の手法とプロアクティブ秘密分散法との比較を行い,[4] の手法にプロアクティブ秘密分散法と同等の機能を持たせるように拡張を行う.そのために,[4] の手法に検証鍵を追加し,更新情報の検証を可能にした.また通信量,計算量の比較を行った.
著者
北澤 宏泰 金田 北洋 岩村 惠市 越前 功
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMM, マルチメディア情報ハイディング・エンリッチメント (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.138, pp.205-212, 2013-07-11

紙メディアは電子化が進んだ現在においても重要なメディアであることは間違いない.しかし,紙を用いた印刷物に対する保護技術の研究は少ない.その保護技術の1つとして,金田らによって提案された単一ドット方式がある.単一ドット方式は,印刷物に小さな点を打ち込むことで情報を埋め込み,印刷物に違和感なく情報を埋込むことができるが,今までの研究ではその抽出精度が低く,100%の情報抽出は困難であった.そこで,本論文では単一ドット方式の抽出法を改善することで,元となる誤り率を低減し,かつ,誤り訂正符号を適用することで,低い冗長度でほぼ100%正確な情報抽出を実現した.
著者
星野 光太 岩村 惠市
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2017-IOT-37, no.3, pp.1-8, 2017-05-18

映像サーベイランスの普及に伴い,監視カメラの映像のプライバシーを適切に秘匿する必要が生じている.そんな中,被撮影者の意思を反映させて監視カメラ映像の顔情報を秘匿する方法が提案されている.本論文の目的は,この方法を用いて監視カメラの映像を様々なサービスに利用することである.近年,監視カメラは監視だけでなく,様々な目的で使用されている.本文中では,プライバシーに配慮しながら監視カメラ映像を利用するサービスの具体例を2つ紹介し,その際に生じる脅威とその対策についても考察する.
著者
岩村 惠市 稲村 勝樹 古賀 克磨 金田 北洋
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J99-D, no.5, pp.489-500, 2016-05-01

You TubeやCLIPのような消費者生成メディアに適した著作権保護技術を提案する.提案方式はコンテンツの編集を許さない従来の著作権保護技術と異なり,コンテンツ編集を前提として,それに必要な著作権保護技術である権利継承と編集制御を電子署名によって実現する.権利継承とは一次著作者と二次著作者の関係を明示する技術であり,編集制御は著作者が自ら制作したコンテンツに関する編集可否を事前に制御するための技術である.また,提案方式の種々の攻撃に対する安全性を評価する.