著者
大津 展之
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:09135713)
巻号頁・発行日
vol.J63-D, no.4, pp.349-356, 1980-04-25

濃淡画像を2値化し対象領域と背景に分離するしきい値レベルを選定する問題は,単に画像処理のみならずパターン認識の基本的な問題の一つである.supervisedな場合には統計的決定理論からしきい値を選定できるが,より実際的なunsupervisedな場合に対しては,これまで幾つかの直観的な手法が提案されてはいるが,それぞれしきい値の評価,一般性,計算量に問題があった.本論文では,このしきい値選定の問題を一般的基本的わく組みで捕え,分離されるクラスの濃度レベルでの分離度を最大とする判別規準の立場から,濃度ヒストグラムの0次と1次の累積モーメントのみを用いる簡単で汎用性を持ったnonparametric unsupervisedな自動しきい値選定法を提案する.本手法は,同時に原濃淡画像の最小2乗近似の意味でも最適な手法となっていて,多値化の場合へも容易に拡張することができる.幾つかの好ましい性質を明らかにし,又,実際の応用例により,本手法の有効性を検証する.

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