著者
早田 和弥 小柴 正則
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 C (ISSN:09151893)
巻号頁・発行日
vol.J73-C1, no.12, pp.771-779, 1990-12-25

非線形シュレディンガー方程式(NLSE)は,数学,物理学,工学,生物学をはじめとする多くの学問分野において出現する偏微分方程式の一つであり,応用範囲が非常に広い.本論文では,変形あるいは摂動を伴うNLSE(一般化されたNLSE)の解法として,径路積分法(PIM)に着目し,その基本となる概念,定式化,ならびに実際の数値計算手順について述べている.PIMは,R. P. Feynmanにより導入されたLagrange形式による非相対論的量子力学の定式化の方法である.本論文で最終的に得られる式は標準的なフーリエ変換の形をしているため,高速フーリエ変換(FFT)の適用が可能となり,計算効率の飛躍的向上が達成されている.ここで注目すべきことは,本手法では単位伝搬区間当り1回のフーリエ演算を実行すればよいということである.ここでは,一般化されたNLSEとして,摂動を受けた結合形非線形シュレディンガー方程式を考え,具体的な適用例として光ソリトンに対する数値計算結果を示している.

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