著者
伴野 明 岸野 文郎
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.J75-D2, no.5, pp.861-872, 1992-05-25

顔の向きや視線の検出を将来のインタフェースの基本機能と位置付け,これらを画像処理を用いて検出するアルゴリズムを開発した.この手法では,利用者の頭部の自由な動きを許容し,また,注視点検出に必要なパラメータ(眼球中心位置)を推計により求める際,利用者に提示する指標数を少なくして使いやすくすることをねらいとしている.まず,顔の3点と瞳孔の空間位置をステレオ画像計測により求める.次に,利用者が指標を注視しているときのこれら特徴点の位置情報を用いて,眼球中心を推計し,これと瞳孔を結ぶ線を視線と近似して求める.本アルゴリズムの検出精度に影響する要因としては,ステレオ画像計測の精度,固視微動,および推計時の指標提示方法などが考えられる.そこで,これらをパラメータとして,眼球中心推計精度,注視点検出精度を計算機シミュレーションにより求めた.眼球中心の推計では,指標パターンの寸法と指標の提示回数が精度に大きく影響する.眼を大きく回転させる5点程度の指標パターンを用いると,精度の良い推計ができる.特徴点の位置計測誤差と注視点検出精度との関係についても求め,モデル実験の結果と比較した.

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