著者
齋藤 晴美 渡辺 昌洋 浅野 陽子
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J96-D, no.1, pp.144-153, 2013-01-01

色覚異常者が混同しやすい色の識別性を向上させる再配色型の配色提案技術において,三色覚者(色覚正常者)のデザインに対する印象の変化にも配慮しているものは少ない.本論文では三色覚者における色の「目立ちやすさ」に着目して,目立つ色は変換せず,より目立たない色の変換量を大きくする色変換アルゴリズムを提案する.更に,システムの利用者が色変換処理の結果を感覚的に理解できるよう,処理内容を色名や色の見えに関する文章に置き換えて表示するインタフェースを検討し,これらを実装した.三色覚者による評価実験の結果,提案アルゴリズムで生成された配色案では2型色覚シミュレーションで色の識別性が向上し,かつ,オリジナルの配色の印象がより保たれやすいという評価結果を得た.この傾向は2色の組合せで顕著であり,3色の組合せでもアルゴリズムの有効性を確認できた.また,処理結果の文章表示インタフェースが色変換結果への理解を助けることが分かった.

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“印象保持を目的とした色の目立ちやすさに基づく色覚バリアフリー配色提案システム” http://t.co/2Rygeh3D

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