著者
本橋 豊
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.358-362, 2005-05-01

自殺予防運動の進め方 自殺予防の問題が公衆衛生学の課題として社会的に論じられるようになったのは,決して古いことではない.わが国で本格的に自殺予防が国のプログラムとして認められたのは,2000年に開始された健康日本21においてである.その後,秋田県,青森県,岩手県,鹿児島県などで,メンタルヘルスの観点から地域の自殺予防活動が活発に展開されるようになった.このことは,わが国において,公衆衛生活動としての自殺予防対策が動き始めたと言うことができる. 一方,2004年9月にWHOは次のようなメッセージを世界に向けて発信した1).「自殺は大きな,しかしその大半が予防可能な公衆衛生上の問題である.自殺は暴力による死の約半分を占め,毎年約100万人以上の死亡原因となっており,何十億ドルもの経済的損失をもたらしている」.心の問題は個人の問題であり,行政が介入すべきでないというような意見が唱えられやすいのであるが,WHOは明快に自殺を「公衆衛生学の問題である」と断言したのである.21世紀における公衆衛生学的課題としての自殺予防対策が,国際的にも十分に認知されたと言うことができる2).

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“地域づくり型自殺予防対策とは、うつ病の予防という疾病のアプローチを採用しつつも、地域における精神疾患や自殺への偏見を取り除くことで地域の自殺予防に対するエンパワメントを図るという福祉的アプローチも重視する自殺予防対策である(https://t.co/KlkQlwTwk1 )” https://t.co/yQiCIYaZKR
“地域づくり型自殺予防対策とは、うつ病の予防という疾病のアプローチを採用しつつも、地域における精神疾患や自殺への偏見を取り除くことで地域の自殺予防に対するエンパワメントを図るという福祉的アプローチも重視する自殺予防対策である(https://t.co/KlkQlwTwk1 )” https://t.co/yQiCIYaZKR
“地域づくり型自殺予防対策とは、うつ病の予防という疾病のアプローチを採用しつつも、地域における精神疾患や自殺への偏見を取り除くことで地域の自殺予防に対するエンパワメントを図るという福祉的アプローチも重視する自殺予防対策である(https://t.co/UU3OWT9Sgi )” https://t.co/BTrMqw0fZM

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