著者
山口 智子 松本 主之
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.628, 2017-05-24

定義 cobblestone appearanceは敷石像,敷石様外観とも呼ばれ,Crohn病(Crohn's disease ; CD)の診断基準の主要所見のひとつに挙げられている.多発潰瘍の介在粘膜に玉石状の隆起が多発した状態であり,その呼称はあたかも大小の石を敷き詰めた歩道のようにみえることに由来する(Fig. 1,2)1).cobblestone appearanceは小腸・大腸の活動期CDの特徴とされるが,密在した炎症性ポリープもcobblestone appearanceと呼ばれる.しかし,この際は縦走潰瘍を伴わない.活動期CDでは,敷石像に一致して病理学的には粘膜下層の浮腫と高度の炎症細胞浸潤がみられる.通常,深部大腸にみられることが多く,小腸では典型的なcobblestone appearanceを呈する頻度は低い.しかし,他の小腸疾患でcobblestone appearanceを伴う疾患は少ないため,CDの小腸病変の診断において特異性の高い所見とも言える.高度のcobblestone appearanceは難治化の予測因子でもあり,高度もしくは広範囲のcobblestone appearanceを認める症例では,早期の抗TNFα抗体などの治療選択が必要と考えられる.

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★cobblestone appearance 図説「胃と腸」所見用語集2017・山口論文(岩手医大) https://t.co/w5Xd5YeXDa

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