- 著者
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森山 成彬
- 出版者
- 医学書院
- 巻号頁・発行日
- pp.1290-1295, 1988-12-15
I.はじめに 言語新作néologismeとは,新しい言葉あるいは,既存のとは異なる新しい表現の謂である71)。Lantéri-Laura, G. ら51)によれぱ,néologismeという語の初出は1735年で,哲学書のなかで使われ,科学・技術用語の創出,および死語や外国語からの借用による新語をさしていた。しかし,その実体は言語体系そのものの独創から,言葉の意味の微妙なズレまで多様であり,それが次頁表のように,多種の類語を派生させる理由にもなっている。 こうした言語新作を精神分裂病者が生み出してきた事実は,多くの精神医学者の注目をひき,その研究史は少なくとも19世紀中葉まで遡ることができる。彼らはそこに病者の体験が凝集されていると信じ,様々の症例を集め検討した。