著者
佐藤 裕
出版者
医学書院
雑誌
臨床外科 (ISSN:03869857)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.466-468, 2004-04-20

1881年に行った胃癌切除手術があまりにも有名なため,Billrothが1873年に世界に先駆けて喉頭癌を切除したことは忘れられがちであるが,ヨーロッパではBillrothの業績を語るに際しては,むしろ胃癌より喉頭癌切除手術のほうが先に取り上げられる(以前「ビルロート余滴・4」で述べたように,ウィーン大学付属医学史博物館のBillroth顕彰文でもまず1873年に行われた喉頭全摘手術のことが先に述べられている:図1).言い換えれば,Billrothが「近代外科学のパイオニア」と賞せられるようになるきっかけはこの喉頭全摘手術であったと言える. 今回は,以前よりたびたび引用しているAbsolonの論文に基づいて,この歴史的手術の詳細を紹介していくことにする.

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偉大なる外科の先駆者とて、咽頭喉頭部の手術は惨憺たる結果だった。 ある種の博打のようなもの、だったのかもしれぬ。運が良ければ助かった、と。 感染症等の合併症、失血死や麻酔死等も数多くあったかもしれない。 >https://t.co/Cg9K3zirik 幾多の失敗例の山の上に、進歩が存在するということか

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