著者
石川 博康 熊野 高行 鈴木 昌幸 熊谷 裕昭
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.17-21, 2003-01-01

62歳,男性.食用のベニナギナタタケと間違ってカエンタケを誤食したところ,嘔吐,腹痛,水様下痢などの消化器症状に引き続き,翌日には全身の潮紅とともにショック症状が出現した.大量補液と人工透析の併用により,ようやく循環動態の改善をみたが,1週後には骨髄抑制による白血球および血小板の減少を認めた.経過中,顔面の発赤腫脹や難治性口内炎,回復期での掌蹠の膜様落屑と脱毛などきわめて特異的な皮膚粘膜症状を呈した.カエンタケの毒素成分は長年不詳であったが,mycotoxinとして有名なtrichothecene類であることが昨年解明された.カエンタケ中毒は本邦で6件発症し,患者10例中2例が死亡している.救命にはキノコの十分な鑑別と初期医療での大量補液が重要である.

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似ている食用きのことして、ベニナギナタタケがあって、実際に取り違えによる中毒事例もあるんですけど、 https://t.co/PpPlojmxH7
ベニナギナタタケと間違えた? https://t.co/lL6Z3sp805 キノコ中毒は何症例かしか診たことありませんが、ただキノコに限らず少数ながら、己の興味と直感に従って食物(人生?)を選ぶ人がいるのは事実ですね… https://t.co/ApxvaQ9cIe
カエンタケ恐ろしすぎた https://t.co/wXrdX9xAkE
毒キノコ、カエンタケの症例、激しすぎる。コワい。 見るからに毒々しいのになんで誤食が発生するのかと思ったらよく似た食用キノコがあるんだね。https://t.co/GOyo8g1BtD

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