- 著者
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吉田 眞理
- 出版者
- 医学書院
- 巻号頁・発行日
- pp.419-427, 2004-06-10
Argyrophilic grain(AG)は,大脳辺縁系領域の灰白質のneuropilに出現する嗜銀性顆粒状の構造物で,Gallyas-Braak染色やタウ免疫染色に陽性を示す。痴呆を伴いAGが出現する病態は,argyrophilic grain dementia(AGD)あるいはargyrophilic grain diseaseと呼ばれ,タウ蛋白が神経細胞体とその樹状突起およびグリアに蓄積する4リピートタウオパチーである。AGは海馬CA1から嗅内野,経嗅内野に好発して,白質にはcoiled bodyが出現し,皮質にはリン酸化タウ陽性のpretangleがAGの出現領域を越えて広がり,ballooned neuronが観察される。AGDは加齢とともに頻度が増加し,高齢者の非アルツハイマー型痴呆の重要な疾患として認識されつつあり,その臨床病理学的スペクトラムの解析は今後の課題である。