- 著者
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山田 純生
- 出版者
- 医学書院
- 巻号頁・発行日
- pp.1399-1410, 2012-11-10
はじめに
心臓リハビリテーションは,これまで急性心筋梗塞(acute myocardial infarction;AMI),あるいは急性冠症候群(acute coronary syndrome;ACS)や心臓血管外科術後患者が主な対象とされ,特にAMIに対する運動リハビリテーション介入はほぼ確立されたプログラムとして臨床に普及が進みつつある.一方で,最近,心臓リハビリテーション対象に加わった慢性心不全(chronic heart failure;CHF)は,病態が多岐にわたる分,詳細な病態評価に基づき介入を個別化することが求められるが,その具体的な方法論は示されておらず,運動リハビリテーション介入をCHFの管理方策として位置づけする障壁ともなっている.
そこで,本稿では,AMIについては長期予後を改善する考え方を述べるにとどめ,主にCHFの運動リハビリテーション介入による予後改善効果の基本的考え方を,心肺運動負荷試験(cardiopulmonary exercise testing;CPX)の予後指標と関連づけて解説したいと思う.