著者
古畑 僚 岡崎 慎治
出版者
障害科学学会
雑誌
障害科学研究 (ISSN:18815812)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.55-64, 2020-03-31 (Released:2020-09-30)
参考文献数
36

ASDの限局化した興味( Circumscribed Interests;CI) とそれに関連する情動経験とASD特性との関連についてはこれまで十分に検討されていない。そこで本研究では中高生のASD児10名、TD児12名を研究協力者とし、[1] 様々な人物の表情を含む社会的な内容、[2] 乗り物や機械類等のCIに関連する非社会的な内容、[3] 家具や食器などCIに関連しない非社会的な内容の3 つの画像条件を設け、情動価、覚醒度についての主観的評価を求め、判断時の反応時間を計測した。その結果、いずれの指標においても群による差異は認められなかった。一方、SCQの合計得点と一部の画像条件における情動価、SCQの合計得点と全ての画像条件における覚醒度、限局的・反復的・常同的行動様式と複数の画像条件におけるRTにそれぞれ有意な相関が認められた。 以上より、ASD傾向が、喚起される快情動の生起や、情動の量、自らの情動を迅速に判断する能力と関連を持つ可能性が示唆された。

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