著者
夏 天
出版者
Japanese Council on Family Relations
雑誌
家族研究年報 (ISSN:02897415)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.75-89, 2023-07-15 (Released:2023-10-13)
参考文献数
39

家族の多様化とその子どもへの影響に関する先行研究からは非婚・離婚などの家族行動は低い学歴層に生じやすいこと、ひとり親世帯の子どもは教育達成が低いことが明らかにされている。中国における親の不在は親の離婚よりも「外出労働」に起因することが多く、その「外出労働」は低い学歴層に生じやすいことから、子どもの「分岐する運命」は「留守児童」経験によって生じていることが予想できる。高校進学以降のトラッキングはその後の社会経済的地位達成を大きく規定するため、本研究は「留守児童」経験とトラッキングの入り口にある普通科高校進学との関連について検討する。China Family Panel Studies(CFPS) データを使用し傾向スコアマッチング法による分析を行った結果、「留守児童」経験のある者は普通科高校に進学しにくいことが明らかになった。「留守児童」経験がライフコース上の長期的な不利を生み出す可能性がある。

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PDFあり。 ⇒夏 天 「中国における子ども期の「留守児童」経験と普通科高校進学 ―親の外出労働は子どもの「分岐する運命」を生むのか―」 『家族研究年報』48 (2023) https://t.co/DyBATbgtuz

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