著者
岸田 恵津
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成25年度(一社)日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.184, 2013 (Released:2013-08-23)

【目的】野菜を蒸すと甘く感じる傾向がある。本研究では,キャベツの蒸し加熱による甘味の変動について,糖含量測定と官能評価等により検討を行った。<BR> 【方法】キャベツは兵庫県産のものを市場で購入して試料とした。蒸し加熱は通常の100度蒸し(10分,20分)に加え,低温スチーミング鍋を用いた70度(20分,30分),電子レンジ加熱(30秒,60秒)により行った。糖含量はF-キットを用いてグルコース,果糖,ショ糖を定量した。官能評価は女子大学生22人をパネルとし,各蒸し加熱における最適加熱時間の試料に対して,甘味,硬さ,シャキシャキ感,総合評価等について評点法で行った。 <BR> 【結果】生キャベツの糖含量は,グルコース1.9g/100g,果糖2.0g,ショ糖0.2gであった。加熱方法別に糖含量を比較すると,いずれの加熱方法でも各糖含量は,生との間に有意差は認められなかった。官能評価では,硬さ,シャキシャキ感は生,70度,電子レンジ,100度の順に評点が高値であった。甘味の評点は逆の順で,100度が最も甘いと評価され,生に対して100度蒸しのみに有意差が認められた。好みと総合評価は,いずれの試料でもほぼ同程度であり,試料間に有意差はなかった。官能評価の項目間の相関を調べると,硬さと甘味の評点間に負の相関を示した。 <BR>100度蒸しが最も甘いと評価されたが,糖含量はいずれの加熱方法でも変化せず甘味と対応しないこと,甘味の感じ方には感覚的な硬さなどのテクスチャーの違いが関係していることが示唆された。

言及状況

外部データベース (DOI)

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キャベツに含まれる甘みは、ブドウ糖(グルコース)、果糖(フルクトース)、ショ糖(スクロース)からなります。 下記リンク先の文献によりますと、100gの生キャベツに含まれる糖分のうち、最も多いのは果糖が2.0g、ついでブドウ糖が1.9g、最後にショ糖が0.2gだそうです。 J-Stage「キャベツの蒸し加熱による甘味の変動」 https://www.jstage.jst.go.jp/articl ...

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@mrn_squid 「キャベツの蒸し加熱による甘みの変動」という論文があるくらい奥深い話。 https://t.co/mGbvySW6TT
1 1 https://t.co/WHf50toiJA
蒸したキャベツは甘みがあっておいしいのなぜだろうと思って調べたけど、加熱で糖分が変わるわけではないと知って少し驚き https://t.co/QNjYDWETwf

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