- 著者
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山鳥 重
- 出版者
- 日本失語症学会 (現 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会)
- 雑誌
- 失語症研究 (ISSN:02859513)
- 巻号頁・発行日
- vol.22, no.3, pp.237-240, 2002 (Released:2006-04-25)
- 参考文献数
- 11
ヒトの記憶はその使われ方の違いによって大きく 5つのタイプに区別できる。すなわち,作業記憶,出来事記憶,予定記憶,意味記憶,および手続き記憶である。このうち出来事記憶,意味記憶および,手続き記憶はその人の生活史および行動パターンの基盤を形成する。作業記憶は意識と密接に関係し,心理的現在を可能にする。予定記憶は現在を未来へつなぐことを可能にする。この 5種の記憶の神経心理学的特徴,および解剖学的基盤について著者らの考え方を述べた。