著者
大浜 幾久子
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学年報 (ISSN:04529650)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.144-155, 1997-03-30 (Released:2012-12-11)
参考文献数
39

ピアジェ (1896-1980) の生産性は, 60年にわたって常に際だったものであった。また, 死後出版も10年間に及び続いた。ピアジェの全著作を貫いているひとつの概念がもしあるとすれば, それは均衡である。ピアジェの野心は科学的認識論をつくりあげることであった。ピアジェが発生的認識論とよんでいる認識論は, 基本的に構築説にたつものであり, その主目的は, 初期の単純な認識からより複雑で強力な構築物への移行を研究することである。ある方向へ向かう発達のダイナミクスを説明するのに, ピアジェは調整のメカニズムを伴う均衡化のモデルを精緻化した。この考えの起源は, ピアジェが若き日に著した「探求」と題する小説にまで遡る。生涯を通して, ピアジェはこのモデルを洗練し続けたのである。生涯最後の10年, ピアジェは, 研究を構造の側面から過程の側面へと転換し, 心的操作を機能のより広い形態に従属させ, また新しい可能なことと必然なことへの開放という観点から, 認識, 矛盾, 弁証法を分析することによって, ピアジェ理論のもつ機能主義的な特質を新たなものにした。

言及状況

外部データベース (DOI)

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1940年代から50年代にかけてではないでしょうか。 大浜幾久子「ピアジェ理論の展開:ジャン・ピアジェ生誕百年にあたって」https://www.jstage.jst.go.jp/article/arepj1962/36/0/36_144/_article/-char/ja/のPDFをご参照ください。

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@marxindo https://t.co/WUHVrAFvvQ 休憩時間の雑談の際,「自分の子ども時代が,父親の研究対象として,世界中に有名になってしまったことについてどう思っているか」とある研究者にきかれた(次女)ルシエンヌが,「深い意味でとても良い家庭であったし,とても良い父親であったので,何の問題も感じたことが ない」

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