著者
村上 存 臼井 恵
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.46-53, 2002 (Released:2008-07-30)
参考文献数
11

導電性弾性材料の塊を構造体かつ3 次元変形センサとする入力装置を用いた,直観的3 次元形状操作インタフェースDO-IT (Deformable Object as Input Tool) を提案する.電気抵抗値を測定するための端子対を格子状に導電性弾性材料の塊に接続し,弾性体に加えられた曲げ,ねじり,押し込みなどの3 次元的変形を,各部の電気抵抗値の変化により測定し,その変形をコンピュータ内の形状モデルに適用する.各端子対における抵抗値の変化パターンと入力装置の変形の関係をニューラルネットワークを用いて学習すると同時に,学習の過程において重要度の低い端子対を検出し除去することによって,適切な端子対の数および配置を半自動的に決定する.これらの学習,最適化によって,プログラムをほとんど書き換えることなく,目的や応用に応じたさまざまな形状の弾性体入力装置や変形の種類に対応することが可能となる.弾性体による変形入力に加えて,実際の応用のために必要となる,さまざまなモード切替,調整などの操作を行なうためのスイッチ,ボタン,ボリュームを統合した,直観的3 次元形状操作のための入力ツールを製作した.提案したインタフェースをコンピュータ・システムとして実装し,実際に操作を行なうとともに,従来のマウスと複数投影図を用いた形状操作方式との定量的比較を行ない,研究の有効性,可能性を検証した.

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