著者
滝澤 恵美 山口 麻紀 岩井 浩一 伊東 元
出版者
一般社団法人 日本人類学会
雑誌
Anthropological Science (Japanese Series) (ISSN:13443992)
巻号頁・発行日
vol.122, no.1, pp.1-8, 2014 (Released:2014-06-24)
参考文献数
25

本研究は児童における蹲踞姿勢の実態調査を行い,生活様式や運動習慣との関連性を調べた。対象は小学校1~6年生の68名(男子36名,女子32名)とした。姿勢観察は自由課題(床の高さで絵を描く際に選択する姿勢)と指示課題(踵を接地した蹲踞の可不可)の2課題とした。生活様式(便座の種類,寝具の種類,他),特定の運動習慣の有無は保護者から情報収集した。関節可動性は足関節の背屈角度と長座体前屈を計測した。結果,自由課題で蹲踞を選択した者は6割,指示課題で踵を接地した蹲踞が可能だった者は7割だった。多重ロジスティック回帰分析の結果,選択する姿勢は寝具の種類(調整オッズ比:3.6,95%信頼区間:1.2–11.5,p < 0.05)と学年(調整オッズ比:5.2,95%信頼区間:1.4–18.9,p < 0.01)が関係した。踵を接地した蹲踞の可不可には特定の運動習慣の有無(調整オッズ比:9.2,95%信頼区間:1.8–47.7,p < 0.01)が関係した。児童の蹲踞姿勢において,性や関節の可動域は有意な関係を示さなかった。生活様式や運動習慣は,多様な姿勢の1つである蹲踞に影響を与える。

言及状況

外部データベース (DOI)

Twitter (1 users, 1 posts, 0 favorites)

マジ!? >運動習慣を有する児童の方が積極的に身体を動かすことから身体操作に長け蹲踞を可能とする身体基盤が整っていると予測していた。しかし実際は逆で 特定の運動習慣が有る者が蹲踞を完全に行えない割合が高かった。 生活様式や運動習慣が児童の蹲踞姿勢に与える影響 https://t.co/T1RLgQmrPK

収集済み URL リスト