著者
佐藤 宏昭
出版者
一般社団法人 日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.241-250, 2010 (Released:2010-09-28)
参考文献数
78
被引用文献数
6 1

急性低音障害型難聴 (ALHL) が突発性難聴と異なる疾患として認知されるようになって30年が経過した。2000年には厚生労働省急性高度難聴に関する調査研究班により本疾患の診断基準 (試案) が設けられ, この基準に基づく多くの報告がなされてきた。本総説では, ALHLの問題点として, 診断基準, 難治例, 治療薬剤について取り上げた。診断基準では高音部に加齢による難聴を有する例を準確実例として診断基準に加える必要があること, およびALHLの反復, 再発例とメニエール病非定形例 (蝸牛型) の名称の問題について述べた。長期的にみるとALHLは反復, 再発例やメニエール病への移行例が少なくなく, 少数ながら進行性の感音難聴をきたす例もみられ, この中には稀であるが低音障害型感音難聴で発症する聴神経腫瘍もあり注意を要する。また, ステロイドやイソソルビドなど現在使われている薬剤の有効性に関しても, 十分なエビデンスが得られていない点が問題点といえる。

言及状況

外部データベース (DOI)

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急性低音障害型感音難聴はまだ良く分かっていないそうですよ。↓も参考にして下さい。 急性低音障害型感音難聴をめぐる諸問題(岩手医科大学耳鼻咽喉科):https://www.jstage.jst.go.jp/article/audiology/53/4/53_4_241/_pdf 長期的にみるとALHL は反復,再発例やメニエール病への移行例が少なくなく,少数ながら進行性の感音難聴をきた ...

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